新社会人の方
(職歴3年以内)

「現状打破」という目的

今回ここでお伝えしている新社会人とは、入社1~3年目の方です。実は弊社に大学院留学に関してご相談に来られる方は、この時期の方が最も多いのが特徴です。一度社会人になると、やはり社会人暦が長ければ長いほど留学には大きな決断が必要になります。そのため、就職3年以内に留学を検討することは至極自然なことだと思います。

毎年厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況」も3年以内の離職率を統計していることから、やはり3年職歴が有るか否かが一つの焦点であることは間違いありません。逆を言えば3年あればどういった分野のどのような業務であれ、社会人経験として立派に認められることになります。そのため、就職3年以内に留学を決意される場合はそれなりの覚悟が必要になります。

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キャリアチェンジのため。

弊社にご相談頂く方の中でも、「今の仕事は本当にやりたい仕事ではない」、「本当に働きたい会社はここではない」、しかし漠然としか将来のビジョンが見えないため、どのように転職を行っていいか分からない。また「転職するにもスキルや経験がないため不安が残る」、そこで、大学院留学でスキルをつけ、将来のビジョンも明確にし、再度社会でチャレンジしたい、といった思いから大学院留学を目指す方が増えている気がします。

しかし社会人を続けていると会社の中、社会の中で様々な責任が付いてくるものです。例えば役職が付きより責任ある仕事を任せられる、結婚をして家庭を持つ。特に会社の中では、責任が付くと、その責任は今までの自分の頑張りや努力の上に成り立ってるものですから、簡単に一度捨ててもう一度、というわけににはいかなくなります。

そのため、もし現在やりたくない、また不本意な会社で仕事をしているのであれば、足枷の少ない今、今一度ご自身のキャリアについて見つめなおすことをご検討頂くのは自然な流れではないかと思います。特に現在の仕事に満足していないので大学院留学をする、というのは少々ネガティブな印象をお持ちの方もしらっしゃるかと思いますが、納得していない仕事を毎日続けることほどネガティブなことはありませんし、意外とそういったご相談は多いのが実情です。

残念ながら日本は残業大国であることは事実であり、社会人になると自由な時間はほとんど持てないというのが現実です。大学を卒業し定年するまで、もしくは自営業の方は生涯人生のほとんど時間を費やし働くわけですから、それが納得のいかないもの、満足できないものであればそんな悲劇的なことはありません。

しかし今の日本社会は、一般的に一度就職してしまうと簡単に辞めることができないことも事実です。 加えて一度就職すると拘束された時間と共に大学生や学生のときに味わえなかった充実感を感じることも事実であり、さらに拘束時間が長いと時が経つにつれ拘束されなくなったときの不安も多くなります。また一度会社を辞めてしまうとまた同じような環境と条件の会社に入社できるのか、という不安も大きいでしょう。

社会人になってからの大学院留学は単なる進学ではありませんので、一つの「賭け」になります。大学院留学をしてさらに自分が求める企業に就職できるかもしれないし、そうでないかもしれない。ただ現在の状況には満足できない、、しかし今の安定や実績を一度捨てる勇気もない。そういった方が現状を打破するために、大学院留学を選ばれることも少なくありません。

職歴が長ければ長いほどキャリアチェンジには勇気と決断力が必要になります。また少しでも関係があればいいのですが、まったく前職と関係のない畑違いの職種にチャンレジする際、アピールする知識、経験、実績がまったくなく成功する可能性が低いのも事実です。アピールできるのは熱意のみとなってしまい、到底中途採用枠で採用される可能性も非常に低いでしょう。そして年齢が若ければ企業も「この若者の教育しよう」というスタンスで面接をしてくれますが、年齢が24,5を超えてくると前職の実績や専門知識、スキルといったこと重要視するようになります。

そこで熱意以外に、具体的にアピールできる専門知識やリサーチスキル、英語などの外国語能力、そして海外経験を身に付けるべく大学院留学を目指す方が増えているのではないかと思います。

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キャリアゴールを見つけるため。

弊社にご相談頂く方のお話を聞いておりますと、会社を簡単に辞めることにできない理由として、前述の通り将来の不安も挙げられますが、もう一つ大きな理由として挙げるのが“将来やりたいことが見つからないため”といったお声も多い印象です。

つまり今の職業には満足していないが、かといって転職などを考えたときどのような職種に就職活動を行っていいか分からない、現在には満足していないが将来やりたいことも決まっていない、ということです。そのため転職することもできず現状に止まることしかできないのです。そういった方が将来のキャリアゴールを探しに大学院留学を目指すケースも少なくありません。

例えば数年の職歴があればMBA(経営学修士号)のコースに入学することができます。MBAとは経営学を学ぶものですが、経済学、マーケティング、人材管理学、情報管理学、会計学、財務学などといった経営学の基礎を学び、その後さらに興味ある分野に特化して副専攻として学ぶことができます。例えば貿易、証券、投資、国際ビジネス、広告、広報、といった具合に学びながら将来のキャリアを絞り込むことができるわけです。入学したときはビジネスの経営学の基礎しか知らなかった学生が、基礎を学ぶことから始めて、卒業するまでに専門分野を絞り込むことができます。

また研究留学を目指す方の中にも、ずっと工学部で研究を続けてきた、または生物学を学び幅広い知識を有している、ただこれまでの研究をどのような社会貢献に繋げていいのか分からない、まだその具体的なヴィジョンが見えていない、そういった方も実は多いのではないでしょうか?

海外の理系修士(または博士)コースは日本の大学院と異なり、クラス履修(コースワーク)から開始するのが一般的です。特に修士課程では様々な興味のあるクラスを履修しながら、将来の研究テーマを決めることができます、入学時に研究計画書や研究実績を求めらず、入学後じっくり将来の展望を検討することが可能です。

このように将来のキャリアゴールを見つけるために大学院留学を選択する方も少なくありません。

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海外就職と英語力向上のため

最後は海外就職を希望される方、または(加えて)皆さんのキャリアゴールに必要な英語力を身に付ける、という目的をお持ちの方です。

最近「海外脱出」、「海外逃亡」といった言葉を聞くことがありますが、ただ海外に行ければ良いかというとそうではないと思います。実際に弊社にご相談に来られる方の多くは、やりたいことが生活したい環境で実現でき、且つ将来の展望もできるだけ約束された状態で海外に行きたいと思われる方がほとんどです。

例えば米国の大学院ではGRADUATE DIPLOMAという学位を提供していますが、この学位を卒業することで1年間現地で働くことのできる許可を得ることが出来ます。またSTEMと呼ばれる数学や科学技術、そして医療などの分野を卒業することで3年間現地就職の許可証を延長することもできます。

またITであればドイツやアメリカ、国際関係/開発などであればスイスやイギリス、環境問題などはオランダや北欧、といった具合に、日本よりも確実に進んでいる分野で大学院留学を実現させることにより、将来のキャリアヴィジョンを確実にしてくれる学位も海外大学院には揃っています。

そして希望する分野の最先端で研究を続けることで、将来のどのようなキャリアにも通用本物の英語力を習得できることも、(これから転職やキャリアチェンジの可能性も残る)新社会人の方が大学院留学を目指す大きな意義であると思います。

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海外大学院進学を目指す新社会人とは

以上日々新社会人の方からご相談をお受付する中で感じております弊社の対象者がお持ちの目的についてお伝えさせて頂きましたが、改めて新社会人の方が留学を決断される場合、やはりひとつの「賭け」になることは否めません。

通常3年程度で職歴としてしっかりと認められるという日本の文化を考慮しますと、3年以内での留学はその後人生を飛躍的に前向きに運んでくれる可能性もありますが、再就職やキャリアチェンジがうまく運ばず、留学が齎すご苦労も逆あるかもしれません。

しかしその賭けに挑戦してでも「現状打破」を試みる必要がある方には、是非その賭けの勝率を少しでも上げる努力をして頂きたいと思います。それは例えば、①できるだけ日本で英語力を付けていく(特にリーディンとライティング)、②過去と未来の希望を見据えじっくりと専攻を選ぶ、③生活環境と卒業後のご自身のブランティング強化として最適な学校を(ランキングや知名度を考慮し)選択する、といったようなことにご留意頂きながら、お時間をかけじっくりご準備することが最も重要ではないかと思います。

現在では北米や英国だけでなく、欧州やオセアニア、北欧なども含めることで、諦めていたランキングの学校に行けたり、諦めていた専攻を選ぶこともできます。そのため、新社会人の皆さんは特に、できるだけ数多くの選択肢を検討のうえ、ご留学を決断頂きたいと思います。

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