
高峰 彰朗さん|Akio TAKAMINE
高峰 彰朗さん|Akio TAKAMINEA
| 合格スクール | London School of Economics and Political Science (LSE) Georgetown University Tufts University University of Sussex |
| 留学先(国) | イギリス / アメリカ |
| 専攻(メジャー) | Master of Public Policy |
| 職業 | 某政府機関 |
今回は、途上国開発に携わる機関でキャリアを築き、社内留学制度を利用してLSEへの進学を決めた高峰さんにお話を伺いました。海外駐在中に「何を学びたいか」が明確になり、多忙なお仕事と並行して留学ご準備を進められた、その経緯とご苦労、そして今後の展望についても詳しくお聞きしました。
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
学部を卒業してから8年になりますが、その頃からいずれ海外の修士課程に進学するというのが、憧れに近い目標でした。
新卒で現在勤めている途上国開発を行う機関に就職しましたが、業種的に修士号や博士号を持っている方が周りに多く、進学したい気持ちがさらに強くなりました。ただ当時はまだ「海外の修士号に進学したい」という気持ちが先行してしまっていて、肝心な「何を学びたいか」という点が明確になっていなかったんですね。
キャリアを積み、職歴5年目の2021年に海外駐在の機会をいただき、それから現在までアフリカ地域で勤務しています。この海外勤務をしている中でようやく自分の中の問題意識や学びたいことがクリアになり、決心がつきました。私の会社には幸い社内の留学制度があるので、2023年にその制度に応募しました。
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
最初は社内選考に応募するためにもIELTSの勉強を始め、2023年の7月に初めて受験しました。
それから並行して留学経験者の先輩に話を聞いたり、進学後に勉強したいことや学んだことをどのように現職に活かしたいかといったことを考えました。
翌年の1月に社内選考の結果が届き、無事に出願できることが確定しましたので、そこから本格的に出願校の検討を進めました。その後は出願校についてこちらでアドバイスをいただき、夏以降は本格的に出願書類のサポートをいただき、年内に出願を完了しました。
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

専攻について、当初は一つの専門分野を突き詰めてスペシャリストを目指す、というイメージがありましたが、海外駐在中の経験から政府の方々と議論を進める中で、良い政策を立案・実施するためには様々な要因が絡み合っているため、より幅広い視点を持てるようになることが重要であることを実感しました。
そして学術的な分野よりも、実務的な学びが必要であるということも感じたため、公共政策学へ出願したいと思うようになりました。
公共政策と言っても各校カリキュラムの傾向が大きく異なり、リーダーシップやマネジメントなどソフトスキルの強化を重視するようなコースもあれば、エネルギー問題や経済問題など個別の分野に重点を置いているコース、また政治的側面に焦点を当てたコースなど、様々です。
私の場合は、開発分野における政策立案や実施、そして政治的な側面に焦点を当てた履修科目が充実しているかといった点を重要視し、そういったコースに絞っていきました。
国に関しては派遣期間が1年と決まっているので、イギリスが有力候補になりやすいのですが、多くの選択肢を偏りなく見てみたかったので、「1年だからイギリス」といった先入観を持たずにアメリカやフランスなども含め見ていきました。
そうしたところ、私の興味に合致し、1年で履修が可能なコースが国をまたいで30コースほど候補として挙がりました。ただ、そこから自分の学歴や職歴でどういったコースへ合格の可能性があるのかという部分が見えず、こちらのコンサルティングで合格の可能性についてもアドバイスをいただきながら絞り込み、最終的に7校へ出願しました。出願校を絞り込むためのご相談ができたことは、本当に助かりましたね。
残念ながらOxfordとSciences Poからは合格をいただくことができませんでしたが、当初より希望が強かったLSEから合格をいただくことができたので、LSEへ進学を予定しています。
LSEは言うまでもなく私の興味にコース内容が合致していますし、クラスのメンバー構成が80名程度の中規模プログラムながら例年30カ国からの生徒さんが集まっていると伺っています。
皆さん5年以上の職歴を持っている方々なので、私の今後のキャリアを考えた時に、様々な国籍、文化や価値観を持つ方とのコミュニケーションスキルが身につきますし、多様な視点を知ることで刺激も受けると思うんです。将来的に異なる背景を持つ方や国と交渉する際にも活きると思うので、まさに理想的だと思っています。

Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
やっぱり大変だったのは、いかに時間を確保するのか、という点でした。
当然仕事もしながら、実はプライベートでは第二子の誕生も重なり、生活が大きく変わる中での準備は本当に大変でした。妻にも多くの負担をかけたと思います。2025年度中には進学を必ず実現しなければいけない状況で、忙しく時間が過ぎていき、どこにも合格できなかったらという不安を常に抱えたまま準備を進めるのはストレスでしたし、メンタルも削られました(笑)。
あとこれは今住んでいる地域特有の悩みですが、突発的な停電や断水が度々起こるんです。そうなると当然インターネットも使えないので、書類作成やオンライン願書の入力などの作業も中断します。そして当然家族の生活面にも支障をきたすので、そういった対応も必要になります。幸い家族の理解や協力が得られたおかげで乗り切ることができました。妻をはじめ、家族には本当に感謝しています。
IELTSの開催頻度や会場が少ないこと、出願に必要な成績証明書などの書類入手、合格後の学生ビザ申請なども日本に住んでいないことで困難な点だったと思います。ビザに関しては必ずしも帰国の必要はなかったのですが、追加の書類などが求められることから、私の場合は一時帰国をして申請をしました。一時帰国の限られた期間でビザが発給してもらえるのかヒヤヒヤしましたが、無事取得できて安心しました。
書類準備に関しては正解がないものですので不安だらけでしたが、こちらでサポートをいただいていたので、当初イメージしていたほどの負担はなかったです。
学びたいことやキャリアゴールなどについては社内選考もあったので既に頭の中にあったのですが、修士課程に出願するための書類は各校のプログラム内容やエッセイ課題を踏まえて作成する必要があるので、そもそも何を問われているのか?何が求められているのか?といったところから割と厳しめに(笑)添削アドバイスをいただけたことは、本当に良かったと思いますし、おかげさまで合格にもつながったと思っています。
あと学術面の推薦状も既に指導教官が退官されていたので悩みの種でしたが、こちらでいただいたアドバイスに沿い他の教授にお願いしたところ快く受けてくださって、本当に安心しました。
留学準備をしたことで当然良かったこともありました。まずは英語をしっかりやり直せたことです。今まではなんとなく実務の中で使っていたからできたという面がありましたが、4技能をこのタイミングでしっかり学び直せたことは本当に良かったと思います。
出願校のプログラムを確認したり、エッセイを書く作業は自分の5年後、10年後の姿を想像しながら進めていく作業なので、それも楽しかったですし、そういった時間を持てたことは今後の人生に活きてくると思います。
Q5. 渡航を控え、今のお気持ちや留学中/ 後の抱負をお聞かせ頂けますか?
Q5. 渡航を控え、今のお気持ちや留学中/ 後の抱負をお聞かせ頂けますか?

9月上旬に渡航を控えていますが、今の段階では楽しみ1割、不安9割といったところでしょうか(笑)。
大学のファミリー寮は空いていなかったので、大学院留学生向けのファミリー寮へ申し込み、先日手続きが完了しました。そこから1時間ほどかけて通学する予定です。日本だとそれくらい通勤・通学にかけるのはよくあると思いますが、こっちに来てからは住まいから勤務先まで5分程度という生活を送っていたので、若干心配です(笑)。ただ郊外の方が家族の住環境としては安心だと思うので、その点は良かったです。帰国する時に家族みんなで「良い経験だったな」と思えるようにしてきたいと思います。
学業に関しては、先輩から土日問わず勉強漬けと聞いているので、覚悟して頑張ってきたいと思います。開発に特化したカリキュラムではありませんが、様々な国出身の生徒さんと多角的な視点でより良い政策決定に向け知識や考え方を吸収してきたいですし、それを途上国における政策決定について活かしたいです。
グループワークも多く取り入れているということで、私は今までそういったスタイルで学んだ機会が少なかったので、学んでプレゼンして、というようなチャレンジングな経験を積みソフトスキルも強化したいと思っています。

Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
まだ私も肝心の留学に行っていないので、現段階で言えることになってはしまいますが、準備段階で言えることとすれば、出願校に関しては幅広く見られた方が良いと思います。留学というとアメリカやイギリスなど英語圏に目が行きがちですが、私も出願先をリサーチしている時に知ったのですが、本当に今は様々な国の選択肢があると思います。選択肢を広げることで可能性が広がりますし、何か懸念点があったとしてもチャレンジできる可能性が広がると思います。まずはリサーチするなど行動してみると可能性が見えてくると思います。
あと、出願してみることで意外と可能性が広がるということはあると思います。例えば、私の場合、出身校のGPAが良くなかったのでとても不安だったのですが、アドバイスをいただきながらWESの評価も利用したりして、GPA3.5が求められているLSEより合格することができましたし、TuftsのFletcher Schoolが求めていたIELTSに関しても、Overallは7.5でクリアしていたものの、セクション別のスコアが全て7.0求められていたところ、Speakingのスコアが満たない状態で出願しましたが、合格をいただくことができました。
なので、出願先に関しては幅広く見て可能性を広げていただき、希望があれば少し懸念する部分があったとしても出願してみた方が良いと思います。
