
吉原 大樹さん|Hiroki YOSHIHARA
吉原 大樹さん|Hiroki YOSHIHARA
| 合格スクール | Lund University |
| 留学先(国) | Sweden |
| 専攻(メジャー) | Service Management, Tourism |
| 職業 | 某鉄道事業会社 |
新卒で鉄道会社に就職し、キャリアの転機を機に、幼い頃からの「海外に住みたい」という夢を追いかけ始めた吉原さん。スウェーデンの名門・ルンド大学で観光学を専攻される吉原さんに、留学を決意した経緯や準備で苦労したこと、そして留学後の展望についてお話をお伺いしました。
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
話すと長くなってしまうのですが、幼い頃から両親が毎年海外旅行に連れて行ってくれていたので、海外にはとても興味がありました。将来的には住んでみたいという漠然とした夢も持っていましたが、「老後にでも」というような感覚でした。
その後、「電車の運転手になりたい」という大きな夢ができ、それを叶えるために新卒で鉄道会社に就職しました。運転手になるためには複数の試験があるのですが、その一つである医学適性検査で視野に欠陥があることが分かり、総合的な判断で「運転手にはなれない」という結果を伝えられました。自覚症状が全くなかったので、思いもよらない結果に本当にショックでした。
その結果に深く落ち込んでいた時、当時思い描いていた「海外に住んでみたい」という夢を思い出したのです。第一の夢は叶えられませんでしたが、この第二の夢を叶えようと思ったのが、大学院留学を本格的に考えたきっかけです。
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
2022年10月に第二の夢を実現しようと考えた時、最初は大学や専門学校も視野に入れていました。ただ、既に日本で大学を卒業していましたし、できれば将来により活きる学びがしたかったので、「大学院留学」という選択肢を考えるようになりました。
大学院留学に必要なものを調べ、まずは英語試験の勉強を始めました。TOEFLとIELTSを比較し、自分はIELTSの方が向いていそうだったので、その対策を始めることにしました。それと並行して出願先の国や学校を決め、出願書類を作成し、最終的に2年ほどの時間をかけて出願に至りました。
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

国については、当初、中学時代に3週間短期留学に行ったカナダを考えていました。
ただ、調べるうちに、こちらで出版されている『大学院留学のすべて』という本を読ませていただいたりして、必ずしも留学先が英語圏である必要がないことが分かり、特に北欧に興味を持つようになりました。
北欧の国々はどの国も魅力的ですが、特に印象的だったのがスウェーデンでした。スウェーデンは観光大国で、持続可能な観光(サスティナブルツーリズム)を推進する先進的な政策に取り組んでいます。
私は大学時代に経営学の中でもTourism Managementを専攻していたので、スウェーデンのモデルを日本や世界の観光問題に活かせるのではないかと考え、とても興味が湧きました。特に今回進学予定のLund UniversityのService Management, Tourismプログラムは、持続可能な観光を国際的な環境で学べるので、強く惹かれました。
専攻については、当初はMBAやビジネス系の専攻を考えていましたが、このコースを知り第一希望として考える様になりました。
このコース以外にも同じくスウェーデンにあるUppsala UniversityやStockholm Universityも併願校として考えていましたが、観光学のコースがなかったため、ビジネスやマーケティングのコースに出願しました。
結果として第一希望であるLund Universityから合格をいただくことができたので、第二希望以降は審査されることなく進学先が決定しました。もちろんビジネス的なアプローチも重要ですが、第二希望以降は私の希望と完全に合致しているわけではなかったので、第一希望の合格をいただけて本当に嬉しいです。

Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
やはりIELTSの試験対策が大変でした。
最終的に必要なスコアはOverall 6.5、セクション別で6.0でしたが、特にアウトプットセクションであるSpeakingとWritingのスコアメイクに時間を要しました。
私は義務教育で英語を履修した後は特に英語の勉強をしていなかったので、ほぼゼロからのスタートでした。中学時代の英文法からやり直し、単語を覚え、発音を意識するところから始め、徐々にIELTS対策に移行しました。
対策期間中は平日最低3時間、休日は8~10時間勉強する英語漬けの日々でしたね。ただ、対策自体はIELTSのスコア獲得だけでなく英語能力も上がっていくので、楽しくも感じていました。
振り返った時に、単語もままならない状態からある程度話せるようになっている、そんな成長を感じられることが本当に嬉しかったです。そして夢を追える充実感や嬉しさもあり、モチベーションが落ちることはありませんでした。
もう一つ、自分の心配事として大きかったのが志望動機書です。そこはプロの方に頼もうと思い、こちらへ相談してサポートをお願いしました。結果、お願いして本当に良かったです。
自分にとっては大きな出費でしたが(笑)、そこを節約して不合格になってしまったら本末転倒ですし、やはりプロの手を借りることをお勧めしたいです。自分で書いて自分で確認するという作業だと、どうしても主観的になってしまいます。
プロの方に客観的に確認いただき、意見を聞きながら推敲や添削を進められたことで、自分でも満足のいく書類に仕上がりましたし、そのおかげで合格も得られたのだと思います。
Q5. 渡航を控え、今のお気持ちや留学中/ 後の抱負をお聞かせ頂けますか?
Q5. 渡航を控え、今のお気持ちや留学中/ 後の抱負をお聞かせ頂けますか?

率直に言うと、今は本当に楽しみです。お金のことや差別はないかなど、多少不安な面もありますが、それよりも楽しみの方が強いです。
Lund Universityには130カ国以上から学生と教員が集まっていると聞いています。そんな多文化環境の中で多様な視点や異文化に触れ、視野を広げたいと思っています。そして私は日本人代表としてクラスメイトと接することになると思うので、日本の文化や良さを広めたいですね。
現地でしか感じられないことを、その雰囲気を感じながら環境に配慮した観光のあり方を学び、観光に関わる仕事で活かしていきたいです。
クラス外では、Lund Universityでは伝統的に「Nations」という日本のサークル活動のような活動が盛んだと聞いていますので、そういった機会にも他の国出身の学生と積極的に交流したいと思っています。
今は、卒業後は現地に残って学んだことを活かしながら仕事がしたいと考えていますが、将来的にはそういった経験を、例えば日本だと京都や鎌倉のオーバーツーリズム緩和の施策に貢献したいですし、世界でも観光問題を抱える地域が多くあると思うので、そういった地域の問題解決にも貢献できたらと思っています。

Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
「大学院留学をする」ということは、人生においてとても大きなイベントだと思います。ですから、チャレンジするかどうか迷っている方については、周りの理解が得られにくいこともあると思いますが、強い希望があるのなら、ぜひ真剣に考えてみてほしいと思います。
私の場合も日本で安定した仕事を得ていたので、最初は家族も会社を辞めて留学することについてとても心配していました。でも私が本気で目指していることを知ってからは本当に応援してくれました。もともと私が海外に興味を持ったきっかけも両親が作ってくれたものなので、本当に感謝しています。
今の段階で、この挑戦をしたことに全く後悔はありませんし、もしこの決断をしていなかったら、私の人生はきっと平凡なものになってしまっていたと思います。
そして、まだ海外に行っていない現状でも、日本に対する見方が変わっています。当時は当たり前だと思っていた日本の環境も、海外に目を向けることで比べることができ、日本の良さを本当に感じる事ができました。きっと外に出たらもっと多くの気づきがあると思います。私の人生において広い視点を養うことができる時間だと思っています。そんな機会を与えてくれる大学院留学について、是非迷っている方には前向きに考えてほしいなと思います。
また、大学院留学の準備を既に進めている方に向けてですが、進学先、特に国については慎重に選んでほしいと思います。特に卒業後に現地に残りたいと考えている方は、しっかり検討することをお勧めします。
私の場合も出願先を検討している時に、より学費が安いスイスやデンマークなども考えましたが、卒業後を見据えた時に、スイスだと現地に残れる期間が6ヶ月と短くなってしまうことや、デンマークは現地で仕事や生活をするうえでデンマーク語の難易度が気になり、最終的にスウェーデンに出願しました。
出願準備の段階では卒業後の事まで考えが及ばない事もあると思いますが、そこはしっかり考えて頂きたいですね。
