学力判断テスト(GRE/GMAT)。

GRE/ GMAT は TOEFL や IELTS と異なり、留学生のみではなくネイティブを含む出願者へ提出が求められる学力判断テストとなります。そのため言語にハンデのある留学生には非常に難易度の高いテストとなります。

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GRE/GMATのスコアが必要か確認する

GRE とは Graduate Record Examination の略で大学院に入学を希望する学生の数学知識と分析力を測るテストです。一方、GMATはGraduate Management Admission Test の略で、大学院の中でもビジネススクールで開講しているコース出願時に要求されるテストになります。GREとGMATの両方のテストスコアの提出を義務付けていることはなく、通常どちらかのテストスコアを提出すれば問題ありません。ビジネススクールで開講しているコース(特にMBA等)を出願希望の場合はGMAT、それ以外のコースを目指す場合はGREが求められるケースが一般的ですが、最近では選択可能な場合も多い為、その場合は英語スコア同様適正に応じて選択が可能です。また特に北米以外の出願校については、これらのスコアを求めないケースも多いため、必ず必要有無について確認してから対策を開始する必要があります。

なお、通常これらのスコアについては、出願最低必要スコアが設定されていない事が多く、その代わりに合格者平均スコアが公表されているケースが見られますので、そのスコアを参考に出願校を選ぶことになります。職歴やGPAが優れている方は合格者平均スコアを下回ったとしても合格の可能性は期待できますが、逆に職歴やGPAに自信がないケースではGRE/GMATのスコアを合格者平均を上回る事で高評価を狙っていく戦略を取ります。

上記の通り、GRE/GMATのスコアは単体で評価されるというよりはその他要素と共に総合的に判断される為、一概に必要スコアについて判断は難しくなりますが、一般的に大学院留学を目指す場合の必要スコアは下記目安になります。

GREテスト(Verbal+Quantitative)300~320
GMATテスト(Verbal+Quantitative)550~700

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テスト概要を把握する-GMAT

上記の様に必要なテストと目標スコアを確認したら、各テストの概要を把握しテスト対策を進めていきます。

GMATは4つのセクションで構成されています。4つのセクションは、Verbal・Quantitative ・Integrated Reasoning・Analytical Writing・Assessment(通称AWA)のことを指します。それぞれのセクションで求めら れ る 能 力 は、Verbalが 英 語 に 関 す る 知 識、Quantitativeが 数 学 知 識、Integrated Reasoning は英語+数学の統合的な知識、そしてAWAでは文章構成力となっています。

次の表はそれぞれの内容をより詳しくまとめたものです。

【Verbal】
ー試験時間
65分
ー問題数36問
ー試験内容出題形式は3タイプ
Sentence Correction
 (文章訂正問題)
Reading Comprehension
  (長文読解)
Critical Reasoning
  (論理的分析問題)
【Quantitative】
ー試験時間
62分
ー問題数31問
ー試験内容出題形式は2タイプ
Problem Solving
 (一般的計算問題)
Data Sufficiency
 (条件選択問題)
【Integrated Reasoning】
ー試験時間
30分
ー問題数12問
ー試験内容出題形式は4タイプ
Graphics Interpretation
 (図表解析問題)
Two-Part Analysis
 (二項目分析問題)
Table Analysis
 (表分析問題)
Multi-Source Reasoning
 (複数資料推論問題)
【Analytical Writing】
ー試験時間
30分
ー問題数1問
ー試験内容出題形式は1タイプ
Analysis of an Argument
 (提示された主張を批評する)

GMATの特徴は論理的思考を一貫して問うてくることにあります。数学知識を問う Quantitative Section はもちろんですが、英語力を問うVerbalや、両方の知識を問うIntegrated Reasoning Sectionも2012年に追加されました。AWA でもその傾向は顕著に表れています。GMAT の Verbalは TOEFLのReading と異なり、長文読解だけで構成されているわけではありません。もちろん長文ベースの問題もあるのですが、文章訂正問題や論理的に文章の分析を求める問題も多く出題されます。「より合理的に、より素早く要点をつかめるか」というのがGMATのテーマであり、単なる単語知識や文法知識を問うような出題はあまりありません。

AWAでもこれは同様で、与えられた問題・テーマに対してその要点を過不足なく把握して、自分の意見を効果的・強調的にアピールしなければなりません。これはアメリカのビジネススクール、さらには企業の現場で強く求められる力であり、GMATというテストはまさにその能力を問うところに特徴があります。

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テスト概要を把握する-GRE

GRE は3つのセクションから構成されています。3つのセクションはVerbal・Quantitative・Analytical Writing (通称AWA)であり、GMAT と同じ内訳になっています。当然、それぞれのセクションで求められる知識もGMAT 同様、Verbal が英語力、Quantitative が数学知識、AWA が文章構成力となります。

次の表はそれぞれの内容をより詳しくまとめたものです。

【Verbal】
ー試験時間/ 問題数
20問・30分のセット×2回
ー試験内容出題形式は3タイプ
Sentence Equivalence
  (適語選択問題 :約4問)
Text Completion
  (文章穴埋め問題 :約6問)
Reading Comprehension
  (長文読解 :約10問)
【Quantitative】
ー試験時間/ 問題数
20問・35分のセット×2回
ー試験内容出題形式は2タイプ
Discrete Questions
  (数量計算問題 :約16問)
Data Interpretation
 (データ読み取り問題 :約4問)
【Analytical Writing】
ー試験時間/ 問題数
1問・30分を2題
ー試験内容Issue Task
 (問題を分析し、意見を述べる)
Argument Task
 (提示された主張を批評する)

VerbalとQuantitativeはそれぞれ20問で1セットとして出題されます。それに2回解答して、スコアが出る仕組みになっています。ちなみにどちらか一方は3セット出題され、そのうち1つが次回のテスト作成などに活用されるダミーセクションとなります。これはテストスコアに反映されないので、苦労して解きたくはないのですが、どれがダミーか見抜く方法はありませんので、全て手を抜くことなく解答してください。

GRE の出題タイプは、日本の就職活動でよく使われる SPI などの WEBテストに非常に似ています。Verbal では高度な語彙力・文法力といった知識を問う問題、推測力・分析力といった思考力を問う問題がバランスよく出題されます。出題数は単語力を問うようなボキャブラリーに関する問題が多いのですが、そうした問題も実際は単なる暗記量を求めているのではなく、知らない単語でも自分の知識を手掛かりに推測する力などが要求されます。

また、Quantitative では大多数を占めるのが、数学的知識を活用し、素早く正 確 に 答 え て ゆ く 処 理 能 力 を 求 め る 問 題 で す。2つ の 数 値 を 比 べ るQuantitative Comparison、 与 え ら れ た 問 題 の 答 え を 計 算 す る Discrete Quantitative Questions の両者とも、決して難しいレベルではありません。ただし、1問あたりにかけられる時間が短く、制限時間内に全問解答することが難しいのです。つまり、高得点を狙うには“いかにすれば答えが最短距離でわかるか”ということです。『答えのみ』分かればそれで充分。問題演習をしていく時には、「どこに注目すれば文の流れが速くつかめるか」「面倒な計算をどうしたら省略できるか」を常に考えていきましょう。

英文を自分の手で書きあげるAWAでは、“自分の意見を魅力的に発信できるか”が一番のポイントとなります。アメリカの学校で特に見られる傾向ですが、大学院の講義では自分の意見を論理だてて伝えられることがまずなにより評価の対象となります。GREは大学院で学ぶことを前提とした試験ですから、受験者がそのような能力をもっているかどうか、まず第一にチェックします。そのため日本の受験者はアカデミックな英語の文章の書き方を身につけたうえで、どう表現すればはっきりと効果的に自分の意見が伝わるか、をしっかりと準備しておく必要があります。

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テストスコアを証明する

取得したテストスコアを出願校へ提出する際は、スコアレポートをオンライン願書へアップロードし、併せてテスト主催団体より直接出願校へスコアをお送りいただく様依頼を行います。これはテストスコアの信頼性を計るもので、偽造スコア等で出願することを避けるために設けられた手続きになります。

この方法は主に北米校より求められている方法となり、出願校によっては出願時点ではスコアレポートをオンライン願書へアップロードするのみで認められる場合もあります。その為、スコアの提出方法については出願校のガイドラインを詳しく確認する必要があります。

またスコアの有効期限に関しては各英語テストよりも長い5年間となります。