日本で学べない教育学を求めて。

日本人留学生にとって海外大学院で学ぶ教育系の一番メジャーな専攻は英語教授法(TESOL)になります。日本国内の昨今の英語教育ブームによりさらに人気が高まっています。また国際協力の視点から国際教育学も注目の専攻の1つです。

専攻

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国際教育学(International Education)

国際教育の研究テーマとは主に異文化に対する理解、国際的な教育における法則性の探究、国際理解や世界平和への貢献、様々な教育制度の理解、発展途上国を中心とした教育を普及するための政策について、と非常に多岐に渡ります。なぜなら現在でも「国際教育」という語については、いまだ学問的に明確な定義がなされているわけではないからです。

そのため国際教育と名前が付いているコースでも学ぶ内容は各学校によって異なります。異文化教育学に力を入れている学校では国家、民族等の壁を越えた教育をどのように実現、展開していくべきか、ということを学びますし、開発教育学の分野では様々な社会的要因で教育の普及が遅れている、または必要とされている地域にどのように教育を普及させることができるのか、という教育政策について主に学ぶ学問もあります。このように国際教育の研究対象は非常に多岐に渡るため、研究を深めたい内容を扱っている大学院を探す必要があります。

専攻

02

教育開発学(Educational Development)

教育開発学とは、現在発展途上にある国に対して平等、均衡のとれた教育を提供する具体的な方法を追及する学問です。そのため、開発教育学は通常教育学部で開講されていることが多いのが特徴です。

現在開発途上国の中には、教育投資に充てる財源が十分でなく、児童が教育を受ける権利が十分に保障されていない国が多々あります。しかし発展途上国では教育より生活、という認識が未だ強く、教育を普及させるためには政府が負担できる財源を確保するだけでなく、教育の重要性を伝え教育を受けることのできる環境を作ることが非常に重要になります。そのためには学校数を増やす、自立支援機関を作る、といった教育政策を含むインフラの方法も研究対象となります。

そしてなぜその国では均等に教育が普及しないのか、という問題を解決するため、研究対象は経済問題だけでなくジェンダー、宗教、文化といった社会学的問題から、政治、政府、政策といった政治的問題まで非常に多岐に渡ります。

専攻

03

英語教授法(TESOL)

TEFL (Teaching English as a Foreign Language) や TESOL(Teaching English as a Second Languages)は、一般的に英語教授法と呼ばれます。

特徴は英語を母国語としない学生に英語を効果的に習得させる教育方法を研究することです。通常教育学部で開講されているコースは教員向けになり、Curriculum Development(カリキュラム・教材開発)、Test Assessment(テスト開発)等のコースが主体となります。一方言語学部で開講しているコースは、Linguistics(言語学)、Second Language Acquisition (第二言語習得理論)といった研究色の強い学問となります。言語学中心の研究色の強いコース、教育者養成に力を入れるコースは大学によって異なるので、進学先を選ぶ時は細心の注意が必要です。ただ言語学部のコースであっても応用言語学の中の一専攻となりますので、教職の現場に応用が可能です。

日本でもTEFL / TESOL の認知度が高くなり、日本国内でも今後英語教育がますます盛んになることから、留学生に特に人気の専攻と言えます。