森下 茉奈さん|Mana MORISHITA

森下 茉奈さん|Mana MORISHITA

合格スクールThe Graduate Institute Geneva (IHEID)
Sciences Po, Paris School of International Affair
SOAS, University of London
留学先(国)スイス
専攻(メジャー)Development Studies /Human Rights
職業Executive Assistant

今回インタビューにご協力頂きました森下さんは、国際開発学を目指す多くの方が憧れるスイスのIHEID、フランスのSciences Po、そしてイギリスのSOAS、見事全校合格されました!開発学に直接関連のない職歴を10年お持ちの森下さんが、見事国際開発学で国際的知名度を誇る学校に合格されたその秘訣やご準備方法など、今回は多くのお話をお伺いすることができました。

Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

そうですね、、子供の頃、それこそ12歳位の頃から将来は人道支援に携わりたいという気持ちがあって、ユニセフですとか国際機関で働きたいと思っていました。

なので、おのずと大学も国際政治学を専攻して、その流れで海外大学院で学びたいと考えていました。

大学3年生の時にアメリカでの交換留学を経験してから、さらにその想いが強くなったのですが、その当時は家族もあまり大学院留学にはポジティブな思いを抱いておらず、自分で金銭面を工面するためにまず3年間働こうと決め、卒業後は一般企業へ就職しました。

3年間職歴を積んだタイミングで、今度は家庭の事情で大学院を目指せる状況ではなくなり、大学卒業から12年経った今、“ここで行かなかったら一生行けないだろうな”と思い、本格的に目指す事にしました。

実は2年前に結婚したんですが、思い切って主人にかねてからの自分の想いを話したところ、”それはもう今行こう、行った方がいいよ!”と言ってもらえて、その言葉も後押しになりました。


Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

2年前の10月にまずはIELTSの勉強を始めました。外資系企業に勤めていて海外の部署と日々やり取りしていたこと、また、上司やチームメートも多国籍で日常的に英語は使っていたので、正直Writing以外はあまり不安はありませんでした。

ただWritingに関しては、やっぱりビジネス英語とは違いますし、Academic Writingをしっかりやり直す必要を感じました。当時オンラインの添削サービスなんかも利用していて、その添削者の方には内容やグラマーは問題ないからAcademic Englishの単語力を付けてみては?とアドバイスを頂き、通勤時間などの時間を利用して単語を増やし、毎日2つのTaskを書くと決めて2か月取り組んだところ、2か月で7.5を取得する事が出来ました。

点数を取得できた段階で、こちらで公開されているセミナー動画を参考にさせて頂きながら、出願校のリサーチを進め、ある程度出願校の候補を絞ってからこちらへご相談させて頂きました。

大学卒業後10年ほど経っていることもあり色々ご相談したかったのと、特に出願審査において重要なエッセイを一人で書いてしまうと、どうしても客観的な視点が不足してしまって独りよがりになってしまうと思ったので、ご相談の上でこちらへサポートをお願いしました。そこからはエッセイコンサルタントの方と相談しながら準備を進め、12月中旬には出願を完了しました。


Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

アメリカの大学へ交換留学に行った際、個人的に1年は短く感じたので、2年学べるプログラムを優先的に考えました。ヨーロッパは歴史的に見ても私が学びたい分野に深く関りを持っており、人道支援、人権保護や平和構築などに特化しているコースが多い印象があったことと、また、学費の面でも私の希望に沿っていました。

ただ、似たような学位を提供しているプログラムでもカリキュラムを見ていくとなかなか自分の興味に合致するプログラムが少なかったので、数ある開発学や平和学、国際関係学のプログラムの中でも、カリキュラムやシラバスの内容をしっかり見ながら出願校を決めていきました。

今も世界の様々な場所で、国家間はもちろん地域規模でも武力紛争が起きており、そのどれもが長期化している傾向があると思います。私は武力紛争を解決したり予防するためというよりは、もちろん戦争や紛争がないことが望ましいですが、長期化する武力紛争下で、最も人権侵害被害を受ける民間人、普通の人々をどのように保護し、支援する事が出来るのかという視点で学びたいと思っています。

でもそういった視点で学べるプログラムが意外と少なくて・・人権というキーワードで調べていくと法学部しかなかったり、人道というキーワードで見てみると宗教や信仰という視点になってしまうものも多かったりするんですよね。なので、そうではない私の興味に近い視点のプログラムを探し、最終的に3校へ出願をしました。


Q4. 今回見事複数校より合格を得られていらっしゃるという事ですが、進学校選びに関しては迷いなどありませんでしたか?

Q4. 今回見事複数校より合格を得られていらっしゃるという事ですが、進学校選びに関しては迷いなどありませんでしたか?

IHEIDとSciences Poで若干の迷いはありましたが、当初からIHEIDへの希望が強かったので、そこまで迷う事はありませんでした。

IHEIDは多くのNGO、人道支援団体、国際機関が集まるスイスのジュネーヴに位置するという事が大きな魅力です。

ご存じの方も多いと思いますが、例えば国連のヨーロッパ本部や国境なき医師団、ICRCの本部なども拠点を置いており、在学中のインターンや卒業後の就職という点、また、コネクション構築の点においてもアドバンテージになると思っています。

また、教鞭を取られている教授陣の中には、UN Commission on Human Rightsのメンバーとして、紛争下にある国の人権問題に携わっていらっしゃる方もいたりと、今実際に起きている人権問題を近くに感じながら学べるという点も非常に魅力を感じています。 

プログラムとしては、履修内容のフレキシブルさが私の希望にマッチしています。

私のプログラムには7つの副専攻(Specialisations)があり、基本的には自分がアサインされたSpecialisationの履修内容に沿って学んでいきます。私のSpecialisationsはHuman Rights and Humanitarianismなのですが、他のSpecialisationsに興味がある科目があれば、そちらも履修することができるんです。


Q5. 留学ご準備の中で大変だった事や、準備を進めたからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?

Q5. 留学ご準備の中で大変だった事や、準備を進めたからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?

印象に残っているのはやはりエッセイですね。こちらのエッセイサポートを利用して本当に良かったと思っています。

エッセイを一人で書いているとどうしても主観的になってしまうので、客観的な視点でアドバイスを頂きながら作成出来た事で最終的に満足のいくエッセイを完成させる事が出来ました。

また、こちらのエッセイ作成講座や、添削の中で頂いたアドバイスは、1から10まで本当に為になりました。先日滞在許可証の申請をした際に提出を求められた書類も、大学院出願時に提出したエッセイをベースに、早速習得したスキルを活用しました(笑)。

私は職歴が長いので、その中でも何をアピールすべきなのか取捨選択からとても悩みました。これは当初から私が不安に思っていた点でもあるんですが、職歴はあるけれども、どれも直接的には大学院での専攻と関連がないんです。

なので、正直職歴についてはあまり触れずに難民支援ボランティアの経験を中心に書こうかなという事も考えていたんですが、エッセイコンサルタントの方に、“それはもったいない”と。

“関連がないからこそ新たに学びに行くわけで、一見関連がない様に思えても今までのキャリアで培われた知識やご経験の中で必ず活きてくる経験はあると思います”と声をかけていただきました。そこから、何度もドラフトを書き直していく中で、アピールできる経験やスキルを見つけることができました。関連していないキャリアのバックグラウンドを持っていたからこそ、ユニークな出願者になれたのかもしれません。

推薦状に関しても、今までの私の仕事ぶりを信頼して頂けた事で、上司には二つ返事で書いていただく事が出来ました。Academic referenceに関しては、指導教官が既に退官されていたため、大学時代に授業を履修したことのある教授に連絡を取りお願いしました。教授の授業での成績が良かった事や、オフィスアワーによく質問に伺っていた事を覚えていてくださり、こちらも快く引き受けて頂けました。


Q6. 色々な経過を経て間もなく留学へのご出発を控えておられますが、留学中/ 留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?

Q6. 色々な経過を経て間もなく留学へのご出発を控えておられますが、留学中/ 留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?

12年越しで叶った大学院留学なので、合格通知が届いた日は号泣でした・・・片や、同伴家族として一緒に渡欧する夫は私よりワクワクしていました(笑)。

先日退職をして準備に勤しんでいるところですが、まだあまり実感が湧かないです。片付け、片付けの毎日です(笑)。

でも、先日滞在許可証の前段階の申請が無事に完了して、少しホッとしています。

現地の移民局とのやり取りが当然フランス語なので、改めてフランス語の向上にも力を入れたいなと思っています。IHEIDはMaster’s Programが始まる前にフランス語のインテンシブコースを三週間開講してくれるので、まずはそこで、今後のインターンシップやキャリアの選択肢を増やすためにもフランス語の語学力をアップさせたいと思います。

宗教や民族同士、政治的対立の影響等により長期化する紛争下で、今も多くの民間人が命と尊厳を奪われています。そういった普通に暮らしていた人たちの小さな声が消されることのないように、その苦しみを少しでも和らげることができればと思っています。大学院で得た知識と経験をそういった人々のために役立てられるよう、与えられたこの機会を通していろんなことを吸収したいです。卒業後は、まずNGOでフィールド経験を積んでから、ICRCに入って武力紛争の影響を受けている国で人道支援と人権保護に携われたらと考えています。


Q7. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。

Q7. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。

私の場合は今の会社がとても良い会社で、このままこの仕事を続けていってもきっと幸せなんだろうなと思えたからこそ悩んでしまったという事もありました。
でも、いつか振り返った時に“あの時やっておけば・・”という想いを積み重ねたくないな、という気持ちが強くあったので決断しました。

まず、社会人になると時間の制約が多くなるので、なかなか勉強の時間を確保することが難しいと思います。また、キャリアが長ければ長い程、今まで築いてきたキャリアを崩すという事になりますからリスクもありますし、決断する勇気も入ります。考え始めたらわざわざ留学しなくてもいい理由はいくらでもあって、どうするべきか悩んでしまうこともあると思います。

そんな時は、一人で悩むのではなく、誰かに相談した方が良いかなと思います。家族や会社の人には、信頼関係に影響してしまうというリスクもあり、話しにくい事もあると思うのですが、例えば周りの留学経験者ですとか、こういったプロの方を頼るというのも良いと思います。誰かの一言で救われることもあると思うので。

あと年齢に関係なく、“学びたい“と思った時を大切にしてほしいと思います。その思いを行動に移せる”時”というのは人生の中でいつでもあるわけではないので。私の場合は、その”時”が来たのが12年後でしたが・・・(笑)ですので、大学院留学に限らず何か挑戦したいと思っている皆さん、特に社会人の皆さんは、その”時”に是非一歩踏み出してみてほしいと思います。