【コラム38】米国MBAはGREで受験可能な時代へ(第一部)~ビジネススクールへの留学はGMAT/GREを選択できる時代に突入~

今回はMBA留学、その他学位を含め特にビジネススクールへの留学を希望されている方を対象としたコラムです。

弊社でも、少し前のセミナーから、「昨今では広くGREの代わりにGMATが認められている」という内容をアナウンスさせて頂いてきましたが、昨今、GMATの代わりにGREで受験可能なビジネススクールが米国を中心に急増しています。

例えば下記、USNEWSのビジネストップスクールです。下記URLをご確認頂ければと思いますが、全ての学校でGMATの代わりにGREを提出することを認めています。

1位:Harvard University
http://www.hbs.edu/mba/admissions/application-process/Pages/default.aspx
2位:University of Pennsylvania (Wharton)

MBA Application Requirements | The Wharton School


3位:University of Chicago (Booth)
https://www.chicagobooth.edu/programs/phd/admissions
4位:Massachusetts Institute of Technology (Sloan)
http://mitsloan.mit.edu/mba/admissions/apply/application-instructions/
5位:Northwestern University (Kellogg)
http://www.kellogg.northwestern.edu/programs/full-time-mba/admissions/application-process.aspx
6位:Stanford University
https://www.gsb.stanford.edu/programs/mba/admission/application-materials/gmat-gre

もちろん上記のようなトップスクールだけでなく、現在中堅のビジネススクールでも非常に多くの学校で(GMATの代わりに)GREのスコアを認めています。

しかし以前はGREスコアでビジネススクールを受験する際、GREの目標スコアはどのように設定するのか、という問題がありました。なぜなら、ほぼすべてのビジネスクールで合格者平均スコアはGMATで公開されているためです。

以前は各テストの相関表について公式なものが公開されていませんでしたので、事実GREの目標スコアを設定することが難しいという状況がありました。しかし最近、ETSが「GRE Comparison Tool for Business Schools」というGREスコアをGMATスコアに相関できるツールを公式に公開しました。

GRE® Comparison Tool for Business Schools
https://www.ets.org/s/gre/flash/bschool/comparison/17302/170/index.html

このツールにより、各ビジネススクールのアドミッションスタッフも出願者から提出されるGREスコアをGMATスコアに容易に換算することが可能になったため、現在非常に多くのビジネススクールでGREを認める傾向が強まりました。

また、出願者もこちらを使用することで、GREのVerbal及びQuantitativeセクションのスコア目標を細かく設定することが可能となりました。

ではなぜ、特に昨今米国のビジネススクールでGMATの代わりにGREスコアを認める傾向へ進んでいるのでしょうか?もちろん様々な要因がありますが、大きな一つの理由として、ビジネス(経営学)とテクノロジー(科学/工業技術)が融合した学位がトレンドになっているということが挙げられると思います。

日本でも昨今Big Dataの扱いについて政府をあげて議論されていますが、海外では時に情報工学とビジネスを融合する発想は重要で、昨今大学院でも学位として非常に多くの専攻が提供されています。また、さらなる経済発展のためにイノベーション(技術革新)を起こすための発想や方法を学ぶ学位も数多く提供されています。

Master of Business Analytics
http://mitsloan.mit.edu/master-of-business-analytics/
Master of Innovation Management
https://www.brown.edu/academics/engineering/prime/

また、現在日本政府も雇用の創出等を目的に推奨しているソーシャルビジネス(少子高齢化や環境問題といった現在山積する社会問題を従来のビジネスの知識とスキルを駆使して解決する手法を学ぶ学問)に関連する学問も数多く開講しており(ビジネスと環境、ビジネスと政治、ビジネスと教育など)、昨今ビジネスはそれ単体で学ぶ学問ではなくなっているというのが世界の主流となっています。

経済産業省:ソーシャルビジネス
http://www.meti.go.jp/policy/local_economy/sbcb/
Master of Social Entrepreneurship
https://www.marshall.usc.edu/programs/specialized-masters-programs/master-science-social-entrepreneurship

そのため、MBAも昨今では上記のような専攻を副専攻として開講していることも多く、現在、「ビジネススクール=MBA(ビジネスのみ)=GMAT」という図式では計り知れない時代に突入しているのだと思います。

こういった流れが米国を中心に世界のビジネススクールがGMATの代わりにGREを認め出した根本的な理由ではないかと思います。

では、肝心の留学生が海外のトップビジネススクールに出願する際、

・ GMATを選ぶべきか、またはGREを選ぶべきなのか?
・ どちらのテストが簡単なのか?
・ 留学生にとってどちらのテストがよりハイスコアを取得し易いのか?
・ 各テストの相違点と特徴は?
・ GMATの代わりにGREを選ぶメリットは?
・ 各テストの適正は?

といった点について非常に気なるところだと思います。

確かにこういった内容は皆さんの留学の成功を左右する非常に重要な内容になりますので、是非しっかりとご理解のうえご準備を進めて頂きたいと思います。

次回、第二部ではこれらの点について具体的に解説していきたいと思います。
(第二部に続きます。)