大学院留学を検討している方のために様々なニュースや情報を日々更新しています。


今回は、まだまだお問合せの多い2019年入学者向けのカウンセリングの中で、「絶対に知らないと大きな損をする情報」を、知らない方があまりにも多いので、少しまとめて公表したいと思います。

①出願締切(Deadline)を過ぎても出願は認められるのか?
②イギリスの大学院は早く出願すればするほど合格率が上がるのか?
③米国などの大学院はスコアが足りなくても出願する意味があるのか?
④一度不合格になると翌年の再出願は不利になるのか?
⑤教授などに事前コンタクトは意味があるのか?
⑥エッセイ(志望動機書)で特定の教授を挙げアピールすべきか?


今回は特にこの時期(出願直前)に多い、上記6つの御質問に対して回答させて頂きます。ただ何分上記に関しての御質問の回答は、皆さんの留学実現に向け非常に大きな影響を与えてしまいますので、下記できるだけ真摯に回答させて頂いております。

海外の大学院はケースバイケースといってしまえばそれまでで、入学する年や学校、学部、コースによって上記のような要件は大きく異なることが実情です。

そのため、皆さんもご相談される方や閲覧する情報ソースによって異なる情報を入手し混乱してしまっているかもしれません。下記回答につきましては、弊社15年の経験をもとに、昨今の最新状況をふまえたうえで回答させて頂いております。確実なことは各学校によって異なるということを十分ご承知おきの上、最新の傾向としてご参考頂きますようお願い申し上げます。

①出願締切(Deadline)を過ぎても出願は認められるのか?
素朴な疑問です。
実際特にイギリスとオーストラリア以外の大学院では厳格な出願締切が設定されており、締切が過ぎても出願してもいいのか、という疑問を持つ方が多いと思います。

この御質問に対して明確な回答をするためには、この出願締切の意味を深く理解することが重要です。現在、海外の大学院の出願手続きには、大きく分けて二つのことを完了させる必要があります。一つ目は、オンラインアプリケーション(願書)を提出する、そして二つ目は、追加書類及びテストスコアを送付することです。そして重要なことは、通常海外大学院の出願締切は、上記一つ目の、オンラインアプリケーションを提出する期日であることがほとんどである、ということです。

二つ目の大学の成績証明書や各種テストスコアを送付するのは(オンラインアプリケーションさえ提出しておけば)、出願締切を過ぎてしまっても通常行うことができます。なお皆さんが最も気になる推薦状ですが、通常こちらもオンラインアプリケーションさえ提出しておけば、出願締切を過ぎても受理してくれることがほとんどです。そうなりますと重要なことはオンラインアプリケーションを提出するために何が必要なのか、という点になります。ただこのオンラインアプリケーションに何が必要なのか、という点が学校やコースによって大きく異なるので複雑になります。例えばある学校では、オンラインアプリケーション上に推薦状やテストスコアレポート、エッセイ、履歴書、大学成績証明書など、全てアップロードする項目があり、「オンラインアプリケーションの提出=全ての書類を提出」、という学校もあれば、オンラインアプリケーションには個人情報のみ入力し、その他書類は全て別途メールや直接郵送させる、という学校もあります。

これは極端な例ですが、エッセイと履歴書以外はすべてオンラインアプリケーション提出後追って送る、というスタイルをとる学校は珍しくありません。そのため、皆さんが出願するコースのオンラインアプリケーションは何を求めているのか、ということをいち早く理解することが重要です。なぜなら、出願締切=オンラインアプリケーションの提出、という認識の学校が非常に多いためです。

ただ中には出願締切=オンラインアプリケーションの提出+全ての書類提出期限、という学校もありますので、注意が必要です(その場合は通常その旨はHP上で公開されていますので、注意深く確認することが重要です)。またオンラインアプリケーションの締切と各種書類提出の締切を分けて設定している学校もあります(その場合もHP上にその旨公開されています)。

②イギリスの大学院は早く出願すればするほど合格率が上がるのか?

通常英国の大学院はローリングといって出願した順に審査が開始されますので、できるだけ早く出願することが重要である、ということを耳にする方も多いと思います。

また英国の大学院はIELTSやTOEFLのスコアが足りなくても、(条件付き合格を提供しているため)出願が可能なので、出願校が決定したらエッセイ、推薦状などを自発的に準備すれば出願が可能です。そのためスコアが足りていなくても出願が可能なため、できるだけ早く出願することが合格の可能性を上げると思われている方が多いのが現状です。

これは一部では合っていますが、一部では間違っています。簡潔に言うと、トップスクールはスコアが揃った段階で出願した方が合格率を上げる場合が多いということです。この場合のトップスクールとは、単にランキングが上位ということだけではなく、それ以上に出願者が殺到する人気校を指します。

例えばLSEやImperial Collegeなどです。通常こういった学校は出願者が非常に多いため、スコアがない状態で出願しても保留となってしまうケースもあり(保留とは出願は受理されたが審査が開始されない状態)、その場合は追って必要スコアを提出しませんと審査を開始してもらえません。

出願者が非常に多い人気校は、スコアが足りている学生が多いため、足りている学生から審査を開始する傾向があります。また、そういった学校ではスコアが大きく足りない場合はネガティブな印象を与え、不合格になるリスクも含みます。

こういった学校は一部ですが、人気校に出願する場合は出願時期には非常に神経質になる必要があります。例えば11月頃にスコアが足りていないが、12~翌1月頃には学校が要求しているスコアが出る可能性がある(その自信がある)場合は、やはり待ってから出願すべきだと思います。その方がスムーズに審査を開始してもらえ、要求スコアを取得していることがポジティブに働くことが期待できます。

ただ人気校の場合ローリングですと合格者が人数に達したら締切となってしまいますので、そのバランスが難しいところです。通常入学年の1月頃までは(学校が要求するスコアを取得できる可能性がある場合は)出願を待ってみることもご検討頂ければと存じます。

ただOxford、Cambridge、LBS、またLSEやImperialの一部のコースは、他国の大学院と同様に出願締切を明確に設定している場合もあるので注意が必要です。

③米国などの大学院はスコアが足りなくても出願する意味があるのか?
これも良くお問合せ頂く内容です。特に出願締切までに学校が要求するスコアが取得できないと諦める必要があるのか、という御質問です。

このご質問の回答は、何点足りないのか?、また、近日中(出願締切後1カ月程度以内)に要求スコアを取得できる自信があるのか?、という二点に依存します。

まず何点足りていないのか?という点についてですが、こちらは数点足りない程度であれば出願してみる価値はあります。特に米国に関しては学部が直接審査を行うケースがほとんどですので、他の要件(大学の成績や推薦状、エッセイなど)が(審査官にとって)魅力的であれば十分考慮され合格、またスコアを取得することを条件に合格を得られるケースもあります。

一方欧州(特に公立の大学院)は大学院入試課で一貫審査をするケースが多いので、機械的審査のため1点でもスコアが足りないと審査が開始されない、という場合が多いのが現状です。次に、近日中(出願締切後1カ月程度以内)に要求スコアを取得できる自信があるのか?という点についてですが、こちらは①の回答にも深く関わってきますが、スコアが足りない場合でも出願締切までにオンラインアプリケーションのみ出願手続きを済ませておいて、テストスコアについては追って送る、ということができます。

ただこの場合出願締切後どの程度スコアを待ってくれるのか、という点については各学校によって異なりますし、明確な公表はしていません。通常合格者が定員に達するまでは待ってくれるケースが多いです(オンラインアプリケーション提出の締切と、スコア提出の締切を厳格に設定している学校もありますが、その場合はその旨がHP上に公表されています)。

そのため、出願締切後学校が要求するスコアを近日中に取得出来る自信がある場合は、まずはオンラインアプリケーションを提出しておいて、スコアが取得でき次第追って学校に送る、という道もご検討頂ければと思います。

④一度不合格になると翌年の再出願は不利になるのか?
これもよく聞かれる御質問です。特にできるだけ多く出願し、「数打てば当たる」という手法を試みる方から御質問を受けます。

回答は、海外のトップスクールは不利になる可能性が高い、ということです。理由は、不合格となった履歴が残るためです。海外の多くのトップスクールでは、一度不合格となった出願者の履歴が残ります。

そのため、学校側も一度自分たちが不合格にした学生を審査する際は、特に合格させる際は相当神経質になる、ということです。実際一度不合格となった出願者は追加のエッセイなどを求められることも多く、その場合は不合格となってから再出願までに経験した内容や、各種テストのスコアアップなど、なぜ一度不合格となった自分が合格に値する人物に一年間でなったのか、という点について審査官を説得する必要があります。

一方それほどトップスクールでない場合は、不合格履歴が残らないことも多く、また再出願することでその学校への志望動機がそれほど強い、という熱意を審査官に伝えることができ、再出願によって一度不合格になった学校へ合格できることもあります。この辺が各学校のスタンスや人気度合いなどに依存しますので、再出願の要件について御調べ頂くことをお勧め致します。

来年入学できないのであれば留学自体諦める必要がある、という方は数打てば当たる戦法は間違ってはいませんが、希望する学校に入学できないのであれば再来年入学も視野に入れる、という方は(特にトップスクールを目指している方は)ファーストアプリケーションの重要性を御理解頂き、慎重に出願校選定を進めて頂ければと存じます。

⑤教授などに事前コンタクトは意味があるのか?
これは一昔前にご留学を実現させた方に聞くと、「絶対に事前コンタクトは必要、むしろ学校に直接足を運んで教授にアピールするくらいのことをした方が合格の可能性が上がる」、というアドバイスを頂くことも珍しくないと思います。

特に「特定の教授に熱意を伝える、直接アピールする」という手法は昔からアドバイスされる方が多いと思います。この手法は一部例外はありますが現在はほとんど通用しません。

むしろ審査にネガティブに働くこともあるので注意が必要です。なぜ一昔前まで通用していた手法が現在通用しないのか?それは単に学校の運営手法の変更のためです。

一昔前は特定の教授に直接アピールし、その方から直接合格の約束をもらうこともできましたが、現在はGraduate Admission Office(大学院入試課)、そして各学部のAdmission Committee(各学部の入試課)で組織的に審査されることがスクールガバナンスで義務付けられているため、現在では(審査の公平さを徹底するため)一教授に合格前の出願者が直接コンタクトをとることを厳格に禁止している学校も少なくありません。

また、日本を含む先進各国でもれなく起こっている少子化問題に伴い、海外の大学の多くが経営難であるということにも依存しています。昔に比べて資金難であるため、審査の効率化と公平さのバランスを保つ必要があり、そのためにはできるだけ出願締切を設けて出願を一定の時期に集め、出願方法を統一化し、一度に審査を行う必要があるためです。

そのため海外ではMasterコース(修士課程)は当然ながら、Doctorコース(博士課程)でも教授への事前コンタクトは行わず、指定された画一的な出願方法で出願させ、審査を行うことが珍しくありません。まずは一定の時期に出願をさせ、各出願者の希望やバックグラウンドなどから、担当する教授がいるかどうかをまとめて各入試課で審査を行うためです。

次に一部の例外についてです。例えば英国の各種リサーチ系コースや、北米のthesisベースコース、またはPhDコースなどで、事前コンタクトを逆に義務付けているケースがあります。その場合はHP上でご自身の研究テーマに沿った教授をみつけ、簡単なリサーチプロポーザルを送ってアピールする必要があります。またそういったケースは通常アプリケーションにコンタクトを入れた教授を記載する箇所がありますので、できるだけ受入許可を希望する教授からもらえるよう、出願前に手を尽くす必要があります。ただこういったケースは現在非常に稀です。

もうひとつの例外はディグリー(学位取得)目的の留学ではないケースです。ポスドク留学などはこのケースに当てはまります。担当教授からの推薦で一定期間研究留学するといった、マスターやドクターなどの学位を取得することが目的でない留学の場合は、事前に担当教官を見つける必要があるので注意が必要です。

⑥エッセイ(志望動機書)で特定の教授を挙げアピールすべきか?
エッセイなど志望動機書で特定の教授を挙げ強くアピールすることは、場合よって諸刃となるので注意が必要です。

現在入学後の研究テーマや研究方法、研究目的など明確に決まっていて、その研究ができなければ入学する意味がない、という方は是非希望する教授を探し特定の教授にアピールして下さい。ただそういった点が決まっていない方が無理に行うと、審査にネガティブな影響を及ぼしかねないので細心の注意が必要です。

というのも、志望動機書で特定の教授を挙げアピールするということは、逆を言うとその教授に修士論文などを担当してもらえない、その教授が開講するクラスが受講出来ない、といったケースが起きると、審査官は「この学生を入学させても学生の希望を叶えられない」と思ってしまいますので、審査にネガティブな影響を与えてしまうことを容易に想像頂けると思います。

もしそこまで特定の教授へのこだわりや研究テーマが明確に決まっていない場合は、むしろそのコースの必修科目の魅力や修士論文を担当してもらえる教授陣の充実度、そして過去の研究プロジェクト実績、またコースの一部としてインターンをさせてくれたり、他大学との単位交換プログラムの充実度、研究留学であれば進行中の産学連携プロジェクトや研究施設の充実度、近隣研究施設との提携プログラムなど、そういったコース全体、そしてコースを開講している学部(研究所)の魅力を伝えていくことの方が、アピールが多岐に渡り入学後の選択肢も制限されませんし、審査上のリスクがありません。

以上の通り、研究テーマや目的がしっかり決まっている方は特定の教授をアピールすることは非常に重要になりますが、そういったことがまだ漠然として決まっていない方(入学後決めようと考えている方)は、無理に特定の教授にアピールすることは逆にリスクをはらむ可能性がある、ということを憶えておいて頂ければと思います。

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2018年12月11日


先日米国のStem Opt Extensionに関するコラムを発表させて頂きましたが、予想以上の反響を頂き、英国はどうなのか?というお問合せが増えて参りましたので、今回は2017年に23校が追加された、Tier 4 visa pilotに関してのコラムを掲載させて頂きます。

Tier 4 visa pilotとは、簡単に言うと、pilot(試験的な)Tier 4 visa(学生ビザ)で、英国の大学、大学院卒業後に半年間の滞在許可が下りる制度を英国政府が発表しました(滞在時に就労可 / 就労先を探すことも可)。この制度は「試験的な」、ということで、当初はオックスフォード、ケンブリッジ、バース、インペリアルカレッジの4校に限定されていました。

以上の通り、試験的な制度なためいつ廃止されるか分からない点、そして対象校が非常に限定的でしたので弊社でもそれほど触れてきませんでしたが、今回23校になり、米国のStem Opt Extensionと共にお問合せが非常に増えて参りましたので、今回コラムとして発表させて頂く運びとなりました。

現在は下記23校の大学院で開講されているマスターコース(13か月以内のコース)を卒業すれば、半年間の滞在許可が下ります。例えば卒業後この半年間インターンを経験し、就労ビザに切り替える、といった道を模索することが出来ます。詳しくは以下ご確認下さいませ。

GOV.UK
Twenty three universities join student visa pilot
https://www.gov.uk/government/news/twenty-three-universities-join-student-visa-pilot

いずれにしても卒業後半年間の滞在許可が下りることは、Post-Study Work visa(卒業後1年間就労許可が下りる制度)が2012年に廃止されてしまった英国では非常に魅力的に聞こえます。

では、まずこの23校を見ていきましょう。

University of Oxford (1)

University of Cambridge ( 2)

Imperial College London (8)

University of Edinburgh (27)

University of Manchester (54)

University of Bristol (76)

University of Glasgow (80)

Durham University (97)

University of Warwick (91)

University of Sheffield (104)

University of Southampton (126)

University of Exeter (130)

University of York (137)

University of Nottingham (147)

University of Leicester (159)

Cardiff University (162)

Newcastle University (175)

University of Liverpool (177)

University of East Anglia (188)

Queen’s University Belfast (201-250)

University of Reading (201-250)

University of Essex (251-300)

University of Bath (251-300)

Goldsmiths University of London

Harper Adams University

The Royal Central School of Speech and Drama

University of Wales Trinity St. David

上記スクールのカッコ内の数字が世界大学ランキングの順位、そして太字の17校はRussell Groupに入っている学校となります。

なおRussell Groupは全部で 24校ありますので、上記スクールに入っていないRussell Groupの学校は7校あります。また、世界大学ランキングのトップ100位以内にランクされる英国大学院で、上位リストに入っていない大学院は3校あります。

それらの中には皆さんご存じの、LSE(London School of Economics and Political Science)、UCL(University College London)、KCL(King’s College London)、QMU(Queen Mary University of London)があり、こういった学校は上記リストには入っていません。全てロンドン大学群になりますが、各LSE23位、UCL16位、KCL36位、QMU121位となっています。

そのため、Tier 4 visa pilotのスクールに絞ると、少なくとも上記4校が抜け落ちていることを必ず留意する必要があります。なお専門系大学院ですと、University of the Arts London、London Business School、SOAS(School of Oriental and African Studies)も入っていないこともご留意下さい。

また卒業後得られるこの半年という期間ですが、上記リスト校以外も通常4カ月は得ることが出来ます。詳しくは以下ご確認下さいませ。

University of Cambridge
Tier 4 visa pilot (Masters students only)
https://www.internationalstudents.cam.ac.uk/tier-4-visa-pilot

University of College London
Working after your studies
http://www.ucl.ac.uk/iss/immigration-visa/working-in-the-UK/work-after-studies

また、在学中に通常20時間以内の就労が許可される点は、上記リスト校とそうでない学校に相違はありません。

こう見てくるとTier 4 visa pilot認定校に絞ることはそれほど魅力的な点がないように思えますが、このTier 4 visa pilot認定校に進学する際、卒業後の滞在許可が4から6カ月に伸びる点以外に、もうひとつ有利な点があります。

それは学生ビザ申請が簡略化される点です。具体的には、財政証明書と学術証明書(大学の成績証明書など)の提出が免除されます。詳しくは以下ご確認下さいませ。

Imperial College
Tier 4 Visa Pilot
https://www.imperial.ac.uk/study/international-students/visas-and-immigration/tier-4-visa-pilot/

そのため、
①卒業後の滞在期間が4から6カ月に延長される。
②学生ビザ申請書類が簡略化される。
この2点がTier 4 visa pilot認定校に絞るメリットと言えそうです。

一方デメリットとしては、やはり特にロンドン市内にある名門大学や有名な専門系大学院が除かれてしまう、という点になると思います。

Tier 4 visa pilot認定校をご検討されていらっしゃる方は、上記ご参考頂きご留学準備を進めて頂ければと存じます。

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2018年07月06日


最近卒業後に海外で就職したい、というお問合せがまた増えて参りました。そのため今回はアメリカのOPT制度、特にSTEM OPT Extensionを取り上げてみたいと思います。

OPT制度は既に皆さんもご存じかと思いますが、正式にはOptional Practical Trainingといい、米国大学院卒業後1年間の就労許可が下りる制度です。実はこのOPT制度にはSTEM OPT Extensionという制度があり、一定の条件を満たすことで就労許可をさらに2年間延長することが出来ます(2016年に新たに新設された制度です)。

その条件とは「STEM」、つまりScience, Technology, Engineering, Mathematics関連の専攻とするコースを卒業し、さらに専攻と関連する業種に就くことです。詳しくは下記米国オフィシャルサイトをご確認下さい。

STEM OPT Extension
https://studyinthestates.dhs.gov/stem-opt-extension-overview

このSTEMは日本でも政府がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校を公表するなど、次世代教育の柱として注目されています。

このSTEMに関する専攻、となると若干漠然としていますが、米国政府がSTEMに認定する専攻(コース)の一覧を公開しています。詳しくは下記ご確認下さい。

STEM Designated Degree Program List
https://www.ice.gov/sites/default/files/documents/Document/2016/stem-list.pdf

このSTEM OPT Extensionに申請するためには、上記リストのCIP Code(認定されているという証明コード)が必要になります。上記リストはそのCode別に公開されています。

上記は実際米国の移民局オフィシャルサイトで公開されているPDF書類になりますので、できればダウンロード頂くことをお勧め致します(いつ非公開になるか分からないため)。

なぜかと申しますと、下記米国オフィシャルサイトのアナウンスになりますが、「New Steps to Give More Students and Workers Tech Skills to Fuel the Next Generation of American Innovation」としていくつかの施策を挙げています。その中のひとつにSTEM OPT Extensionが挙げられています。

https://obamawhitehouse.archives.gov/the-press-office/2016/03/09/fact-sheet-white-house-announces-doubling-techhire-communities-and-new

つまり、次世代にAmerican Innovationを起こすために必要なスキルや知識を付けるためには、STEM関連を学ぶ必要がある、と明言しているということです。

そしてそのSTEMに関する一覧を具体的に前述した通り発表しています。そのためこの一覧はこれから留学をされる、ご検討される方にとって非常に有意義なものになると思います。

ではここからは今回のコラムの本題である、「このSTEMコースに文系の学生がチャレンジできるのか?」に入っていきと思います。

通常米国のSTEMコースに認定されている場合は、その旨がコース案内のホームページ上に載っています。ただSTEMは前述致しました通りScience, Technology, Engineering, Mathematicsとなり、一見すると文系の学生にはチャンレジが難しいように感じると思います。では実際のところはどうなのでしょうか?

答えは、「文系の学生でもSTEMコースにチャレンジ出来ます」。

例えば、Business Analyticsという専攻ですが、下記の通りワシントン大学では、大学の学位専攻は問いません。ただ微分積分及び統計学のみ知識を証明する必要があります(大学などのクラス単位を証明する必要があります)。

University of Washington
https://olin.wustl.edu/EN-US/academic-programs/specialized-masters-programs/ms-in-customer-analytics/Pages/default.aspx

このように聞くと結局難しいように聞こえますが、大学の学位が問われない以上、現在大学生の方は在籍中の大学で、また既に社会人になっている方はオンラインや近郊の大学で単位履修生としてクラスを履修することが可能です。

またそういったことも難しい、という方は、例えば下記コースはMBA(経営学修士課程)ですが、副専攻でファイナンスやマーケティングを選ぶことでSTEM認定コースと認められ、三年間のOPTに申請することが出来ます。

University of Connecticut
MBA (Financial Analysis and Investments)
https://grad.business.uconn.edu/stem/

以上の通り、例え大学で文系を専攻されていても、今後の努力やコースを細かくリサーチすることでSTEM認定コースに進学するチャンスは十分あります。

これからは文系、理系の垣根を越えたハイブリッドな人材が活躍する時代を迎えると言われています。そのためこれから大学院留学を目指す方は、米国以外の国へ留学を検討されてらっしゃる方も含め、是非このSTEM認定コースについてはご留意頂くことをお勧め致します。

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2018年06月26日


昨今北米の大学院では、ほとんどのスクールでGREの代わりにGMATの提出を認め、さらにビジネススクールでもほぼ全ての学校でGMATの代わりにGREの提出を認めています。

(GREの代わりにGMATの提出を許可している学校は特にその旨をHP等で公表していないケースも多いので、希望する方は学校に直接お問合せ頂くことをお勧め致します。)

世界屈指のビジネススクールである、シカゴ大学でも最近下記のようなアドミッション情報が公開されました。

“Chicago Booth requires either the GMAT or GRE, but we don’t have a preference between them. They are different exams, so give yourself time to look into each before deciding which to take. Consider your strengths relative to the structure of each exam.”

つまり、「試験勉強を開始する前に、両テストの特徴や差異をしっかりと確認、把握し、そのうえでより適正に合ったテストを選択するように」、という指示を明確に公開しているのです。またどちらのテストでも有利不利はない、とも明言しています。

そのため、今は一昔前のように、ビジネススクールはGMAT、それ以外はGRE、というルールは適用しなくなっています。どちらのテストを選び、受験するかは出願者1人ひとりの采配に任されている、ということです。

そう考えると、GRE or GMATの問題は皆さんの大学院留学、特に北米(または欧州トップスクール)への留学を検討されている方には非常に重要な、留学の成功を左右する課題ということが言えると思います。

しかしGRE or GMATを詳しく比べた書籍やホームページは存在せず、このような皆さんの留学の成功を左右する重要な事柄を決める情報が現在欠落しているという状態です。そのため、今回は両テストの差異や特徴について少し深堀していきたいと思います。

まず両テスト内容を各セクションごとに比べてみます。

①Quantitativeセクションを比べる。
GMAT Quantitativeセクション
https://www.gpri.jp/format/quantitative.html
GRE Quantitativeセクション
https://www.gtri.jp/format/quantitative.html

②Verbalセクションを比べる。
GMAT Verbalセクション
https://www.gpri.jp/format/verbal.html
GRE Verbalセクション
https://www.gtri.jp/format/verbal.html

③その他セクションを比べる。
Integrated Reasoningセクション
https://www.gpri.jp/format/ir.html
Analytical Writingセクション
https://www.gtri.jp/format/awa.html

④その他注意事項を比べる。
GMAT受験制限及びスコアに関する注意事項
https://www.gpri.jp/purpose/attention.html
GRE受験制限及びスコアに関する注意事項
https://www.gtri.jp/format/awa.html

詳しくは以上をご確認頂ければ両テストの差異や特徴などご理解頂けると思いますが、ここでは少しその差異や特徴についてまとめてみたいと思います。

①Quantitativeセクションについては必要な数学知識は同等だが出願形式が若干異なるので適正を確認する必要がある。
②VerbalセクションはGMATは文法で点数が稼げる利点がある代わりに、GREは語彙力と読解力のみで勝負が出来るという利点がある。
③Quantitative 及びVerbalセクション以外では、GMATはIntegrated Reasoning+Analysis of an Argumentが必要となり、GREはAnalytical Writing(2本)となる。適正を見極める必要はあるが、一般的にTOEFLやIELTSの対策を別途行っている留学生にはGREの方が容易である。
④GMATは受験した全てのスコアがスクールに送付されるが、GREは最も高得点を選択しスクールに送付可能。
⑤GMATはCAT(Computer-Adaptive Test)の出題形式がとられているため、特に前半の正解率が悪いと立て直すのが非常に難しい(GREはCAT形式ではない)。
⑥GMATは生涯8回というルールがあるがGREにはない。
⑦合格者の両テストの平均スコアを確認するとGREの方が低いことが多い。
MIT Sloan School of Management
GMAT Average: 722
GRE Average: 164/161 =324 (GMAT:680)
http://mitsloan.mit.edu/mba/admissions/class-profile/
Harvard Business School
GMAT Average 730
GRE Average 164/164=328 (GMAT:710)
https://www.hbs.edu/mba/admissions/class-profile/Pages/default.aspx
以上のGRE合格者平均スコアを下記のツールでGMAT換算してみると、GMATの合格者平均スコアより一般的に低く出る。
GRE® Comparison Tool for Business Schools
https://www.ets.org/gre/institutions/about/mba/comparison_tool

以上簡単にではありますが特徴や差異を比べてみました。こうしてみると一概には言えませんが、TOEFLやIELTS対策を長い時間行っている留学生にはGREの方がよりシンプルでリスクが少なく適正は合っているのではないかというのが印象です。

特に最近追加されたGMATの生涯8回ルールというのは非常に留意する必要があります。例えば今回MBA留学を目指したが、キャリア的に数年先の方が適しているのではないかと思いなおした、という場合、最初の準備で5回程度受験してしまうと、本当にMBA留学を希望する時には残り3回しか受験チャンスがないことになります。

ただそういったリスクも加味し、全米のほとんどのビジネススクールでは現在GMATの代わりにGREを許可する傾向になっています。

以上今回はあまり情報がないGREとGMATを比べることを目的としてコラムを作成させて頂きました。

今はGRE or GMATを比べられる時代です、

是非皆さんにも安易にテスト選択せず、十分適正を確認してから対策を開始されることをお勧め致します。

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2018年04月05日


今回はMBA留学、その他学位を含め特にビジネススクールへの留学を希望されている方を対象としたコラムです。

弊社でも、少し前のセミナーから、「昨今では広くGREの代わりにGMATが認められている」という内容をアナウンスさせて頂いてきましたが、昨今、GMATの代わりにGREで受験可能なビジネススクールが米国を中心に急増しています。

例えば下記、USNEWSのビジネストップスクールです。下記URLをご確認頂ければと思いますが、全ての学校でGMATの代わりにGREを提出することを認めています。

1位:Harvard University
http://www.hbs.edu/mba/admissions/application-process/Pages/default.aspx
2位:University of Pennsylvania (Wharton)
https://mba.wharton.upenn.edu/mba-application-requirements/
3位:University of Chicago (Booth)
https://www.chicagobooth.edu/programs/phd/admissions
4位:Massachusetts Institute of Technology (Sloan)
http://mitsloan.mit.edu/mba/admissions/apply/application-instructions/
5位:Northwestern University (Kellogg)
http://www.kellogg.northwestern.edu/programs/full-time-mba/admissions/application-process.aspx
6位:Stanford University
https://www.gsb.stanford.edu/programs/mba/admission/application-materials/gmat-gre

もちろん上記のようなトップスクールだけでなく、現在中堅のビジネススクールでも非常に多くの学校で(GMATの代わりに)GREのスコアを認めています。

しかし以前はGREスコアでビジネススクールを受験する際、GREの目標スコアはどのように設定するのか、という問題がありました。なぜなら、ほぼすべてのビジネスクールで合格者平均スコアはGMATで公開されているためです。

以前は各テストの相関表について公式なものが公開されていませんでしたので、事実GREの目標スコアを設定することが難しいという状況がありました。しかし最近、ETSが「GRE Comparison Tool for Business Schools」というGREスコアをGMATスコアに相関できるツールを公式に公開しました。

GRE® Comparison Tool for Business Schools
https://www.ets.org/s/gre/flash/bschool/comparison/17302/170/index.html

このツールにより、各ビジネススクールのアドミッションスタッフも出願者から提出されるGREスコアをGMATスコアに容易に換算することが可能になったため、現在非常に多くのビジネススクールでGREを認める傾向が強まりました。

また、出願者もこちらを使用することで、GREのVerbal及びQuantitativeセクションのスコア目標を細かく設定することが可能となりました。

ではなぜ、特に昨今米国のビジネススクールでGMATの代わりにGREスコアを認める傾向へ進んでいるのでしょうか?もちろん様々な要因がありますが、大きな一つの理由として、ビジネス(経営学)とテクノロジー(科学/工業技術)が融合した学位がトレンドになっているということが挙げられると思います。

日本でも昨今Big Dataの扱いについて政府をあげて議論されていますが、海外では時に情報工学とビジネスを融合する発想は重要で、昨今大学院でも学位として非常に多くの専攻が提供されています。また、さらなる経済発展のためにイノベーション(技術革新)を起こすための発想や方法を学ぶ学位も数多く提供されています。

Master of Business Analytics
http://mitsloan.mit.edu/master-of-business-analytics/
Master of Innovation Management
https://www.brown.edu/academics/engineering/prime/

また、現在日本政府も雇用の創出等を目的に推奨しているソーシャルビジネス(少子高齢化や環境問題といった現在山積する社会問題を従来のビジネスの知識とスキルを駆使して解決する手法を学ぶ学問)に関連する学問も数多く開講しており(ビジネスと環境、ビジネスと政治、ビジネスと教育など)、昨今ビジネスはそれ単体で学ぶ学問ではなくなっているというのが世界の主流となっています。

経済産業省:ソーシャルビジネス
http://www.meti.go.jp/policy/local_economy/sbcb/
Master of Social Entrepreneurship
https://www.marshall.usc.edu/programs/specialized-masters-programs/master-science-social-entrepreneurship

そのため、MBAも昨今では上記のような専攻を副専攻として開講していることも多く、現在、「ビジネススクール=MBA(ビジネスのみ)=GMAT」という図式では計り知れない時代に突入しているのだと思います。

こういった流れが米国を中心に世界のビジネススクールがGMATの代わりにGREを認め出した根本的な理由ではないかと思います。

では、肝心の留学生が海外のトップビジネススクールに出願する際、

・ GMATを選ぶべきか、またはGREを選ぶべきなのか?
・ どちらのテストが簡単なのか?
・ 留学生にとってどちらのテストがよりハイスコアを取得し易いのか?
・ 各テストの相違点と特徴は?
・ GMATの代わりにGREを選ぶメリットは?
・ 各テストの適正は?

といった点について非常に気なるところだと思います。

確かにこういった内容は皆さんの留学の成功を左右する非常に重要な内容になりますので、是非しっかりとご理解のうえご準備を進めて頂きたいと思います。

次回、第二部ではこれらの点について具体的に解説していきたいと思います。
(第二部に続きます。)

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2017年05月17日


~ヨーロッパの名門大学連合から出願校を選定する~

最近ヨーロッパも英国だけでなく、スイスやドイツ、北欧4カ国など、非常に皆様からのお問合わせも多様化して参りました。

そこで皆さんからお話を伺うのは、ランキング以外でヨーロッパの大学院の教育水準を測る基準はないのか、ということです。やはりヨーロッパの大学については米国や英国ほど皆さんに馴染みがないので、ランキング以外に教育水準を測る基準がないというのが実情です。例えば米国にはアイビーリーグがありますし、オーストラリアにはグループ8という分かり易い名門大学連盟が存在します。

そのため、今回下記にて主にヨーロッパの名門大学連盟をご紹介させて頂きます。これらはすべて米国版アイビーリーグより、より研究分野での教育水準に焦点を当てた大学連盟です(アイビーはスポーツでの振興という意味も強いため)ので、特に研究目的でご留学される方には十分進学校選定の役に立つと思います。

また海外の大学連合や連盟は、加盟校が100以上あるものも多く、そういった場合は加盟基準が緩いケースが多く進学校選定にはあまり役に立ちません。そのため今回は加盟校が50校以下の審査基準が厳しいことで知られる連合をご紹介させて頂きます。

1. コインブラ・グループ
Coimbra Group
https://www.coimbra-group.eu/
ヨーロッパの大学連盟  ブリストル大学、エディンバラ大学、ダラム大学(イギリス)、トリニティカレッジ(アイルランド)、ボローニャ大学(イタリア)、フローニンゲン大学、ライデン大学(オランダ)、ジュネーブ大学(スイス)、バルセロナ大学(スペイン)など39校
加盟校39校、全て総合大学で長い歴史を持つ大学群。各校で情報共有や共同研究など学術協力など盛んに行われている。

2. ヨーロッパ研究大学連盟
League of European Research Universities
http://www.leru.org/
ケンブリッジ大学、エディンバラ大学、インペリアルカレッジ(イギリス)、アムステルダム大学、ライデン大学(オランダ)、ジュネーブ大学(スイス)、バルセロナ大学(スペイン)、ヘルシンキ大学(フィンランド)、ルンド大学(スウェーデン)など21校
加盟大学21校、主に学術研究分野において優れていると認定される大学のみ加盟出来る。ヨーロッパ全土で21校と非常に加盟校が少ないため、審査基準も厳しく、加盟校になることは研究大学院にとって一つのステータスとなる。

3. ラッセルグループ
Russell Group
http://russellgroup.ac.uk/
バーミンガム大学、ブリストル大学、ケンブリッジ大学、エディンバラ大学、グラスゴー大学、インペリアルカレッジ、リヴァプール大学など24校
英国の優れた研究実績を持つ24校で構成される大学連盟、英国には100校以上の大学が存在するが、この24校で英国の大学が所有する知的財産の70%以上を占めると言われている。

(番外編)アメリカ大学協会
The Association of American Universities (AAU)
http://www.aau.edu/
カリフォルニア大学バークレー校、ミシガン大学アナーバー校、ウィスコンシン大学マディソン校他多くの公立大学を含み、その他コロンビア大学、コーネル大学、シカゴ大学など知名度の高い私立大学が多く含まれる60校で構成。
北米のトップスクールの中でも特に研究型に分類される大学で構成される大学連盟。米国60校、カナダ2校から構成されている。アイビーリーグは僅か8校の私立大学群のため、州立も含め米国全土の優秀な大学をリサーチしたい際はこちらの協会加盟校がお勧め。

以上のような大学群は、各校の教育水準だけでなく、大学間の学術的及び文化的交流が盛んで、且つ大学間の国際化、学術協力、研究の向上、産学連携プロジェクトなどにも積極的な学校群ですので、是非進学校選定のご参考にして頂ければと思います。

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2016年11月09日


2016年4月12日、日独がIoTの共通規格を作っていく覚書を交わしました。NHKや日経などでも大きなニュースになっていたのでご存じの方も多いと思います。

この覚書は、”「AI(人工知能)」、「ロボット開発」と共に第四次産業革命の3つの柱である「IoT(Internet of Things)」において、日本とドイツで共通規格をつくっていこうという決定が政府レベルで行われました”、という将来のキャリアを真剣に検討している皆さんにとって非常に重要なニュースだと思います。

ここで重要なことは、この覚書に伴い、「企業からの大学や研究開発法人への投資を今後10年間で3倍に増やす」と首相が発言していることです。さらに、今後コンピューターサイエンス関連の研究施設を持った大学などを含め研究拠点を5カ所以上つくり、産学連携を進めていく予定だということです。

ドイツはもともとIoTの先進国であるアメリカと国際標準化を進めていて、そこにIoT分野では遅れをとっている日本が加わることで、日本政府としては少しでもIoT技術の遅れを取り戻す考えです。日本では現在IoT技術は各企業によって異なった研究開発を進めていますが、IoT先進国であり既にアメリカとも国際標準化を目指しているドイツと連携することで、政府主導で各企業の足並みを揃え、将来的に国際標準化で先行していきたいという狙いがあると思います。

では、この日本政府が共通規格を進める、IoT技術で先行しているドイツの大学院でIoTを学ぶことは出来ないのか?という点が気になるところだと思います。しかもドイツ語での授業となるハードルが高いので、英語で開講しているコースがあれば現在大学院留学を検討している方に是非ご参考頂けるのではないかと思います。

そこで一校以下にご紹介したいと思います、

このコースは昨今非常に話題に挙がることが多いビックデータについて学び、さらにIoTにフォーカスし学ぶこともできます。また産学連携プロジェクトも行われるので、学術的な面だけでなく、職業面でも有意義なコースと言えると思います。学費はかかりますが留学生にも提供される奨学金がありますので、英語力と大学の成績、また職業経験に自信のある方は是非ご参考下さい。

Jacobs University Bremen
MSc Data Engineering
http://www.jacobs-university.de/study/graduate/programs/data-engineering
Duration: 2 years full-time
Tuition: € 20,000 per year
Scholarships: All applicants are considered for merit-based scholarships of up to € 12,000 per year.
Program Contact: dataengineering@jacobs-university.de

なお昨今ドイツの大学院では英語で開講しているコースも多く、公立大学では留学生にも授業料無料で提供しているコースもあります。上記はあくまで一例となりますので、ご興味のある方は是非ドイツの大学院も本格的にご検討されてみてはいかがでしょうか?

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2016年04月14日


前回の第一部でIELTS for UKVIを取り巻く背景について解説させて頂きました。
(必ず第一部からご確認頂きますようお願い致します)

今回の第二部では、通常のIELTS (日本英語検定協会開催)がどの程度海外の大学院で認められているのか、IELTS for UKVI受験の必要性はあるのか、という点について詳しく解説していきたいと思います。
このコラムでは利便上、通常のIELTS (日本英語検定協会開催)を「英検IELTS」、ブリティッシュ・カウンシルが開催するIELTSを「IELTS for UKVI」と表現させて頂きます。

まず結果からお伝えすると、イギリス以外の大学院を受験予定の方は、通常の英検IELTSで問題ありません。アメリカやイギリス、オーストラリア、ヨーロッパなどの大学院では、英検IELTSも認めていますので、特別学校から要求されることがない限りはIELTS for UKVIの受験の必要性はありません。
一方イギリスの大学院を目指す方は、移民局のレギュレーションや大学院の運営形態により、非常に複雑化していますので細心の注意が必要です。
まずイギリスの大学院で英検IELTSが正式に認められる場合はどういった場合でしょうか?

それは、Highly Trusted Sponsor(HTS)をいう英国政府から信頼された大学、または大学院が、その学校独自に英検IELTSを認めている場合です。英検IELSを正式に認めてもらうためには、①出願校がHighly Trusted Sponsor(HTS)リストに認定されている必要があり、且つ②その大学院が英検IELTSを認めるポリシーを持っている必要があります。

①出願校がHighly Trusted Sponsor(HTS)リストに認定されている
②その大学院が英検IELTSを認めている(IELTS for UKVIのスコアを課していない)

以上の2点が揃って初めて英検IELTSが受験で使用できることになります。なおHighly Trusted Sponsor(HTS)のリストは下記になります。
Highly Trusted Sponsor(HTS)の資格を持つ大学・大学院のリスト
(2016年2月9日更新)

https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/498848/2016-02-09_Tier_4_Register_of_Sponsors.pdf
これはどういうことかというと、もともと英国政府は国営の大学・大学院をその運営状況や歴史、研究実績などからランク付けしています。

そのもっとも信用の高い大学・大学院を、Highly Trusted Sponsor(HTS)と呼びリスト化しています。
そしてこのHighly Trusted Sponsor(HTS)の大学・大学院が発行した入学許可書は効力があり、たとえ入局管理局が英検IELTSを認めないと言っても、Highly Trusted Sponsor(HTS)の大学・大学院が発行した入学許可書に英検IELTSで入学する許可を出すと明記されていれば、入居管理局もそれに従いビザの発給を行う必要がある、ということです。
そのため、皆さんの出願する学校がHighly Trusted Sponsor(HTS)の資格を持つ大学・大学院であり且つ、その大学院が英検IELTSを認めていれば、その学校が発行した入学許可書で学生ビザ申請が可能ですので、結果IELTS for UKVIの受験の必要性はないということです。

では現在英検IELTSを認めるイギリスの大学院はどの程度存在するかということ、去年は多くの学校でIELTS for UKVIを課していましたが、今年はほとんどの学校で英検IELTSを認める動きになっています。詳しくは出願校のHPを確認するか、出願コースの担当者に直接確認する必要がありますが、現在IELTS for UKVIのスコアを要求する大学院は非常に少数と言っていいと思います。
ただイギリスの大学院を受験する方にはもう一つ非常に重要なことがあります。それはイギリスの大学院は幅広く条件付き合格を提供していますが、この条件付き合格を取得し入学を検討している方は、IELTS for UKVI受験の必要性が非常に高い、ということです。
大学院から条件付き合格を取得し、その後入学までにスコアを取得し直接入学を目指す場合は問題ないのですが、Pre-sessionalコース経由で大学院入学を目指す場合は多くの場合でIELTS for UKVIを受験する必要があります。

なぜかというと、Pre-sessionalコース経由で大学院を目指す場合、厳密にはビザ申請する際に使用する入学許可書は(Pre-sessionalコースは付属の語学学校で開講されているので)大学付属の語学学校が発行するものです。その際、厳密には大学院と語学学校は異なる組織という認識になりますので、(例え大学付属の英語学校が発行したものであっても)、Highly Trusted Sponsor(HTS)の資格を持つ大学・大学院が発行した入学許可書とはなりません。
そのため入局管理局のレギュレーションを覆す効力がありませんので、たとえ英検IELTSでPre-sessionalコースの入学許可書が発行されたとしても、学生ビザ申請時に改めてIELTS for UKVIを受験し同じスコアを取得しなければなりませんので(通常時間的にそういったことは不可能に近いので)、大学付属の語学学校では、Pre-sessionalコース出願時にIELTS for UKVIのスコア提出を義務付ける場合は多いのが現状なのです。
そのため、結果としては、直接入学を目指す場合は英検IELTSでもそれほど問題はありませんが、条件付き合格取得後、Pre-sessionalコース経由で大学院入学を検討している方はIELTS for UKVIを受験する必要が出てくる可能性が非常に高い、ということです。

以上取り急ぎ現状とIELTS for UKVIの受験必要性について解説させて頂きましたが、あくまでこの情報は2016年2月現在のもので、今後情報がアップデートされることも十分考えられます。そのため、イギリス大学院を検討されている方は、下記英国政府のオフィシャルページを頻繁にご確認頂くことをお勧め致します。
英国政府入国管理局ホームページ
https://www.gov.uk/government/organisations/uk-visas-and-immigration

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2016年02月10日


海外大学院の出願に使用できるIELTSですが、現在下記二つの団体で運営、実施されています。

1. 公益財団法人 日本英語検定協会
2. 英国非営利団体 ブリティッシュ・カウンシル

つまり、「IELTSという国際的にも知名度のあるテストが、(日本国内において)二つの団体で開催されている」、という受験者を混乱に招く状態になっています。

まずはその理由について、事の背景からご説明させて頂きます。
IELTSはもともとケンブリッジ大学の一部門である、ESOL試験機構(Cambridge English Language Assessment)という、英語学習者やその指導者のために教材やテスト開発を専門に行っている団体が試験開発を行い、英国政府に正式に認定された公的な国際交流機関が世界各国で試験の実施及び管理を行っています。
そのため、2010年頃までは日本国内で開催されるIELTSも、日本で唯一の英国公的機関であるブリティッシュ・カウンシルが行っていました。しかしIELTSの知名度向上により、政府の公的機関のみで運営することが難しくなり、日本国内で英検などを運営している日本英語検定協会と共同運営することに決まりました。その後共同運営ということになっていますが、試験の実施や予約管理、会場の選定、スコア発表等は全て日本英語検定協会が行っています。
その後、再度2014年10月にブリティッシュ・カウンシルでもIELTSが開催されることに決まりました。その際日本英語検定協会で開催しているIELTSが取り止めになり、ブリティッシュ・カウンシルに一本化すれば問題なかったのですが、日本英語検定協会も引き続きIELTSを開催することになり、一カ国で(日本国内で)一つのテストが二つの団体で開催される、という異常事態になっています。
そして現在、英国の大学では、日本英語検定協会で開催されたIELTSテストスコアは認めない、という学校が増えています。それはなぜか?

英国政府が、「政府が正式に認定した会場で行われたテストでないとビザ申請時に認めない」、と発表を行ったからです。

つまり、日本英語検定協会で行われたテスト自体に問題があるのではなく、会場に問題があるということです。英国政府がなぜこういった発表を行ったかというと、2013~2014年に世界中で開催されたIELTSで多数不正受験が発覚したからです。
所謂替え玉受験などが横行し、テストスコアの信憑性が国際的に疑われる事態に発展しました。その際もちろん日本英語検定協会で開催されたテストに特別疑いがかけられた訳ではありませんが、こういった背景のもと、英国政府はビザ申請に使用できるIELTSスコアは政府が公的に認めた会場で行ったIELTS(日本ではブリティッシュ・カウンシルが実施したテスト)に限る、という声明を発表しました。
そのため、英国の大学も、学生ビザ申請時に認められないスコアで合格を出す訳にはいきませんので、政府の意向に沿った形で公的な機関で行われたIELTS(日本ではブリティッシュ・カウンシルが実施したテスト)しか認めない、という動きに変化しました。
ただもともとテストの内容ではなく会場のみに問題があったため、現在日本英語検定協会とブリティッシュ・カウンシルで開催されるIELTSテストは内容についてはまったく同じものとなっています(もちろん難易度も変わりません)。
現在ビザ申請に使用できる英語力判定テストは、下記英国政府のサイトにSELTsと呼ばれ公表されています。

Approved secure English language tests and test centres
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/491093/2016-01-11_-_Approved_Secure_English_Language_Tests_and_Test_Centres_-_Website.pdf

上記には正式に認められるテスト会場も公表されており、日本国内では下記2か所となっています。
Umeda Central Building, TKP Garden City, 2-11-16 Sonezaki, Kitaku, Osaka 530-0057, Japan
Kenkyusha Building, 1-2, Kagurazaka Shinjuku-ku, Tokyo162-0825 Japan

上記2か所は現在ブリティッシュ・カウンシルで開催されているテストとなります。
では皆ブリティッシュ・カウンシルのテストを受験すれば問題ないのではないか、と考える方が多いと思いますが、受験料が大きく異なることがネックとなります。

•IELTS for UKVI: 39,095円
•IELTS (日本英語検定協会開催):25,380円

以上の通り1万5千円程度変わります。また、通常のIELTS (日本英語検定協会開催)の試験会場は大阪、東京だけでなく、北海道や京都、九州、四国と非常に多岐に渡りますので、それだけ受験することが容易となります。なおIELTS for UKVIは通常のIELTS(日本英語検定協会開催)に比べると試験回数が非常に少なかったのですが、現在はかなり改善されています。
以上からまだまだ海外大学院進学を検討されている方でも、IELTS (日本英語検定協会開催)を受験される方が多いのが現状と言えます。

以上、ここまで「同じテストが異なった組織で行われているという」問題の背景をご説明させて頂きました。第二部では、実際に英国を含む海外の大学院では、通常のIELTS (日本英語検定協会開催)はどの程度認められるのか、というお話に移りたいと思います。

→第2部へ続きます(近日公開予定)

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2016年02月06日


【コラム33】本当に授業料が無料の海外大学院は存在するのか?

「最近授業料が無料の大学院が海外にあると聞いたのですが本当ですか?」

という問い合わせが増えてきました。

まずその答えですが、

「本当です、現在授業料が無料の海外大学院は存在します。」

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2015年12月02日

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