アメリカの大学院は修士論文がないと聞いたのですが、イギリスはどうでしょうか?また修士論文がないとなると卒業はどのように認定されるのでしょう?

この記事は人気のため2026年3月に更新しています。

「アメリカの大学院は修士論文がないと聞いたが、イギリスはどうなのか?」、「論文がない場合、どうやって卒業が決まるのか?」という疑問は、出願先を選ぶ上で非常に重要です。なぜなら、入学できても卒業できなければ意味がないからです。

確実に修士号(Master’s Degree)を授与されるためには、国ごとに異なる卒業条件を把握しておく必要があります。

1. アメリカ(・カナダ):単位取得が卒業の鍵

アメリカの大学院は、日本と同様に「単位制」という教育制度を採用しています。

単位の仕組みと卒業認定

あらかじめコースごとに「卒業単位数」が決まっており、履修したクラスの合計単位がその数に達した時点で卒業・修士号授与となります。

  • 単位の数え方: 通常「1単位=週1時間の授業」を指します。3単位のクラスなら週3時間の授業です。

  • 平均的な履修モデル: 1学期に12単位(週12時間授業)を履修するのが一般的です。2年間(4学期)通うと、合計48単位を取得することになります。

  • 卒業までの期間: 卒業単位が48単位の場合、3学期で集中して取れば1.5年で卒業できますし、逆に6学期かけてゆっくり取ることも可能です。ただし、単位数が50〜60を超えるコースでは2年での卒業が難しくなる場合もあります。

修士論文の扱い

アメリカでは、修士論文を課さないコースが多く存在します。

論文は「選択制」であることが多く、以下のいずれかの形態をとることが一般的です。

  1. 論文を書く代わりに、その分(例:8単位分)多くのクラスを履修する。

  2. 修士論文の代わりに、インターンシップを単位として認定する。

    このように、日本の大学4年生の延長のように、あくまで「クラスに出席し、課題をこなし、単位を揃える」ことで卒業が認められます。

特徴的なルール

  • 他学部履修: 興味があれば他学部のクラスも履修可能です(ただし卒業単位には換算されません)。

  • ビザの維持: 留学生は1学期に最低9単位以上の履修が義務付けられており、下回ると学生ビザが破棄されるため厳禁です。


2. イギリス:進級テストと修士論文が必須

一方、イギリスの大学院は自由度の高いアメリカとは異なり、厳格な「進級制」に近い形をとっています。

卒業認定と

  • 履修の仕組み: 1学期に履修するクラス数は厳格に決まっており、アメリカのように自分で自由に増減させることはできません。また、通常は他学部のクラス履修も認められません。その分、同じクラスメイトと落ち着いて勉強に励める環境と言えます。

修士論文の義務化

イギリスでは、ほぼ全てのコースで修士論文(Dissertation)が必修です。

  • スケジュールの厳しさ: 第3学期にあたる6月〜9月が論文作成期間となります。この短期間に数万語の論文を完成させなければなりません。

  • 学位授与の条件: 1年間の課程を終えても、9月までに提出した修士論文が認められない限り、修士号は授与されません。1年という短期間で「クラス履修+試験+修士論文」のすべてを完結させる集中力が求められます。


3. まとめ:どちらの国を選ぶべきか

確実に卒業・進学を実現するために、以下の違いを念頭に置いて出願戦略を立てましょう。

比較項目 アメリカ(単位制) イギリス(進級制)
卒業認定 規定単位の取得(累積) 進級 + 修士論文
修士論文 選択制・不要なことが多い 原則として必修
期間の柔軟性 履修ペースにより1.5年〜3年 1年(延長不可に近い)
他学部履修 可能 原則不可