【コラム No17】 アメリカの大学院は2年間という情報は間違っている。
このコラムは人気のため2026年3月に最新情報を含め更新致しました。
【コラム No17(2026年3月更新版)】 アメリカの大学院は2年間という情報は間違っている。
~北米大学院で開講されているコースの期間と学費の調べ方~
「アメリカ大学院の学費が分かりません。調べ方を教えて下さい。」
というご相談を非常に多く頂くようになりました。
さらに多いのは、「結局アメリカの大学院は何年かかるんですか?」というご相談です。「アメリカの大学院は2年間」、という考えを持っている方が多いですが、これは実際は間違っており、通常一番多いのは9~18カ月程度で終了するコースとなります。
そもそもアメリカの大学院の学費及び期間に関しては決まったルールはなく、コース毎に異なるため、同じ学校でもコースによって大きく異なります。そのため、調べ方についても明確な回答を提示することが非常に困難なため、今回はその調べ方について詳しく解説させて頂ければと思います。みなさんの資金計画に少しでもお役に立てれば幸いです。
アメリカの大学院で開講されているコースの期間や学費について詳しく調べる場合は、まず「単位制」についてしっかりと理解することが重要です。アメリカの大学院を調べている際、credit(クレジット)、またはunit(ユニット)、という言葉が出てきますが、これらが「単位」という意味で使われています。
ではこの「単位制」についてですが、アメリカの大学院で開講されているコースは全てこの単位制をとっています。単位制とは、コース終了のために課せられる単位分のクラスを履修することで卒業することが可能となるコースのことです。またコース終了のために課されている単位数はコース毎に異なります。
例えば、サンフランシスコ州立大学の経済学は30単位分のクラスを履修することで卒業できます。また同大学でも公共政策学の学位は42単位分のクラスを履修する必要があります。このように同じ大学院のコースでも、卒業までの単位数は大きく異なることが特徴です。そしてこの単位数から卒業までにかかる期間と、学費を算出することが可能です。
ではまず、コース終了までにかかる期間について考えていきましょう。アメリカの大学及び大学で一年間というと、通常9月~12月(秋学期)、1月~5月(春学期)の2学期を指します。そのためアメリカの大学・大学院で一年間とは、12カ月という意味ではなく、この二学期(9月~5月)の9カ月を指します。
通常アメリカの大学、大学院は夏休みを入れて下記のようなサイクルで進んでいきます。
9月~12月(秋学期)
1月~5月(春学期)
6月~8月(夏休み)
アメリカの大学院で開講されているコースにかかる期間について調べる際、何学期で卒業できるかを考える必要があります。通常1学期で履修できる単位は9単位~20単位程度と言われていますが、留学生は無理のない程度で1学期平均12~15単位程度のクラスを履修します。もしコース終了にかかる単位数が30単位であれば、1学期15単位履修すると2学期で終了することが出来ますので、
9月~12月(秋学期):15単位
1月~5月(春学期):15単位
となり、9カ月で卒業できることになります。
しかし42単位必要ということになると2学期で卒業することは難しいので、
9月~12月(秋学期):12単位
1月~5月(春学期):15単位
6月~8月(夏休み)
9月~12月(秋学期):15単位
となり、3学期履修し18か月程度で卒業することが可能となります。また、3学期以上かけると夏休みを挟みますので、夏休みにインターンや一時帰国しアルバイトなど行うことも可能です。
ただ必ずしも42単位分のクラスを履修するために3学期かける必要がある訳ではなく、
9月~12月(秋学期):21単位
1月~5月(春学期):21単位
とし9カ月にすることもできますし、
9月~12月(秋学期):9単位
1月~5月(春学期):9単位
6月~8月(夏休み)
9月~12月(秋学期):12単位
1月~5月(春学期):12単位
とし、20ヵ月程度(4学期)かけて卒業することも可能です、また夏休みに授業を受けてその分早く卒業することも可能です(夏休みに必要なクラスが運よく開講している場合)。
そのため、アメリカの大学院で開講されているコースについて卒業までにかかる期間を考える場合、そのコースを修了するための単位数について調べ、何学期で卒業可能かを検討する必要があるということです。また卒業までにかかる期間は上記のように1学期で履修するクラス数によりますので、学生によって大きく異なることになります。
さらに単位数について少し解説を補足しておくと、1学期9単位履修するということは、週に9時間分の授業を履修(1コマ3時間のクラスだと週に3クラス)すること、12単位というと週に12時間授業を履修(1コマ3時間のクラスだと週に12クラス)すると考えると分かり易いと思います。ただこの考え方はあくまで基本的な考え方で、クラスよっては実習やインターン、リサーチペーパー、プレゼンテーションなどを単位として認めるコースもありますので、あくまで参考にして頂ければと思います。
では期間について分かったところで、いよいよ費用についての解説に移りたいと思います。アメリカの大学院で開講されているコースにかかる費用は、この期間についてしっかり理解していないと調べることができません。
なぜなら、アメリカの学費は全てのこの単位がベースとなっており、卒業までに何単位分のクラスを履修するかで学費が大きく異なるからです。例えば先に出てきたサンフランシスコ州立大学の件ですが、この大学院の授業料の計算方法は下記のようになっています。
1学期に6単位以下のクラス履修の場合:一律US$ 1,953 $3,091/ 1学期
1学期に6.1単位以上のクラス履修の場合:一律US$ 3,369 $4,687/ 1学期
(上記の通りこの記事を最初に書いた2013年より約1,6倍に跳ね上がっています。)
つまり先の経済学の例にとってみると、
経済学修士課程 卒業単位数:30単位
9月~12月(秋学期):15単位
1月~5月(春学期):15単位
US$4,687(1学期目の学費)+4,687(2学期目の学費)=US$ 9,374
という計算となります。ここに登録費や留学生費用などが追加されます。
一方公共政策の学位は(3学期で終了するプランの場合)、
以上のようにアメリカの大学院は単位制という非常に複雑な形態とっていますので、卒業までの期間や学費について明確にすることが非常に難しいのが現状です。
また、学校ホームページやパンフレットなどに公表されている卒業単位数から、入学後に追加でクラス履修を求められる場合もあり、そういったケースの場合卒業までにかかる期間や学費が変わる可能性もあります。そのため、入学後ある程度フレキシブルに対応する必要があります。ただMBAのコースなどは、予め卒業までの期間や単位数、学費が明確になっているものもありますので、注意が必要です。
このようにアメリカの大学院は非常に複雑な一面を持っていますが、その分履修するクラスや卒業の時期をフレキシブルに変えられる一面もありますので、インターンを行って卒業を伸ばしたり、学費が途中で足りなくなったので夏休みに一時帰国してアルバイトなどを行う、といったことも可能です。
以上についてしっかりと理解し、主に北米の大学院を目指している方は注意深く資金計画を行って下さい。
