ディプロマ・ミル(ディグリー・ミル)と呼ばれる学位商法が問題になっていますが、これから米国留学を考えていますので、詳しく教えてください。

この記事は人気のため2026年3月に更新致しました。

一言で言えば、アメリカやイギリスなどを拠点に行われている「学位商法」のことです。

学位商法とは、大学の学士号や大学院の修士号といった、本来は厳しい研鑽の末に得られる世界共通の学位を、金銭目的で販売する業者のことを指します。「学位工場」とも呼ばれ、指定された代金を振り込むだけで、もっともらしい学位証明書を即座に発行してしまいます。「数週間で学位が取れる」、「これまでの社会経験を単位に換算する」といった甘い言葉で、ダイレクトメールやSNS、Eメールを通じた強引な広告が行われています。

その規模は米国だけで数百校、日本国内でも数十校分が流通していると推測されており、経歴詐称などの詐欺行為を誘発するとして、米国では長年、深刻な社会問題となっています。

これを受け、日本の文部科学省も2007年から本格的な調査に乗り出しました。 当時、文科省は全国のすべての国公私立大学を対象に、非認定大学の学位使用に関するアンケート調査を実施しました。学位商法問題に関する悉皆(しっかい)調査は日本で初めてのことであり、この問題に対する危機意識が、日本国内でも一気に高まった瞬間でした。

この調査の主眼は、アメリカやイギリス、中国、オーストラリアなどの非認定の教育機関が発行した学位を、実際に教員が使用していないかを問うものでした。各大学は、教職員が紀要や経歴書に記載している学位が、各国の公的な認定団体が認めた正規の大学(いわゆる「ホワイトリスト」に掲載されている大学)のものかどうかを厳格に照らし合わせ、回答を求められました。

昨今では、AIを悪用した巧妙な偽サイトや、実在する名門校と見紛うような紛らわしい名称を掲げる業者が増えており、その手口はさらに複雑化しています。せっかくの努力と投資を無駄にしないためにも、出願先が国際的な認定(アクレディテーション)を受けた正規の機関であるかどうかを見極めることは、現代の大学院留学において避けては通れない、極めて重要なステップとなっています。